遠山清彦です。ネット選挙解禁のための公職選挙法改正案をめぐる与野党協議が、大詰めを迎えています。今日までに5回の実務者協議を行なってきました。「インターネットを使った選挙運動を解禁する」という方針は全会派で共有していますが、一般有権者の電子メール利用と有料広告の取り扱いについては、与野党の意見の隔たりが大きく、今後の協議でどこまで一致点を見いだせるかが、焦点になります。

まず前提として、現在の公職選挙法では、インターネットを使った選挙運動は禁じられています。たとえば、皆様と私をつなぐこのメールマガジンやツイッター、フェイスブックも、選挙期間中には出すことができません。また、皆様がご友人にネットを通じて投票依頼をすることも、禁じられています。

ネットが生活に浸透した現代において、この法律が時代遅れであることは明らかです。国民の皆様の政治への参加を促すツールとして、インターネットを価値的に利用することが今回の法改正のめざすところです。

しかし、インターネットには候補や議員になりすまして、デマを流したり、事実に基づかない誹謗中傷やネガティブキャンペーンが横行する可能性など、負の側面もあります。法改正が、健全な民主主義政治の発展に寄与するため、党内でも私が副本部長を務める政治改革本部で慎重な議論を重ねてきました。

与党案としては、第三者(一般有権者)の電子メールでの選挙運動を除いて、ブログやツイッター、フェイスブックなどのSNSを含めたインターネットを使った選挙運動を全面解禁する法律案を提出する予定です。

与党が今回の改正では、電子メールを第3者(一般有権者など)に解禁しないとしたのには、理由があります。1社が提供するサービスであるフェイスブックやツイッターでは、発信者の特定が可能であるのに対して、電子メールは、いくつものサーバを経路としており、なりすましや誹謗中傷の取り締まりを行うことが非常に難しいのが実態です。

また、電子メールは、一方的に送りつける事ができるため、「事前に送信の許諾を得る」というルールの周知徹底ができなければ、万単位の人が告発され、公民権停止になる可能性があります。

さらに、発信元を隠してメールを大量にばらまく「スパム」や悪意をもった「ウィルス」などの被害を完全には排除できていない現状では、今回の参議院選挙に合わせてメールの解禁を急ぐ事は、かえって混乱を招くと判断しました。なお、与党の改正案には、一般有権者のメール利用について「次々回の国政選挙までに必要な措置を講ずる」とする付則を盛り込む予定です。

こうした判断に対して、公明党がネット選挙運動の解禁にあたかも「後ろ向き」であるような宣伝が一部にあります。これは全くの見当違いです。

ネット選挙運動の解禁は、今回限りの事ではなく、これからもずっと続いていく日本の政治の大きな変化です。混乱を招く危険性やネットをあまり利用しない方への配慮、ルールの周知徹底など、まだまだ課題も多くあります。インターネットを使った選挙運動を健全に推進していくためには、「大胆かつ慎重に」危険性も配慮しながら、丁寧に進めていく必要があるのです。

公明党は、今までも、そしてこれからも、ネット選挙運動の解禁と推進に積極的に取り組んで参ります。