遠山清彦です。小沢グループの離党と新党結成をめぐる与党内の混乱で、しばらく国会は止まっていましたが、9日から予算委員会や本会議など、やっと動きはじめました。与党内の混乱でこれほど国会審議が止まるのは、過去にあまり例がないのではないでしょうか。正直、あきれてばかりです。

9月8日まで延長された今国会の最大の焦点は、引き続き「社会保障と税の一体改革法案」であり、参院での審議採決です。公明党も三党合意に参加しましたから、基本的に賛成の立場ですが、消費税増税の痛みの緩和、その副作用を真に受ける中小企業への支援策の拡充、など多くの論点がありますので、あらゆる角度から徹底した論戦を展開していきたいと思っています。

さて、公明党は7月10日に、以前から主張していた景気対策の柱である「防災・減災ニューディール」の推進基本法案の骨子を発表しました。公明党は、先の三党合意でも、消費税増税の前提の一つとして景気回復を強調しており、それを実現する具体的な政策として防災・減災対策の強化を訴えてきました。この基本法は、まさにその法律的土台となるものです。

以下、「防災・減災ニューディール」の特徴を紹介します。まず、この政策の大目的は、毎年10兆円、10年間で100兆円の集中投資を行い、老朽化した社会資本の建て替えや改善を行うことです。これにより、今後も巨大地震や津波などが想定される日本の防災力を強化するとともに、経済を活性化し、デフレ脱却への足掛かりを築きたいと考えています。

毎年10兆の公共投資により、GDP(国内総生産)は年率2%ほど押し上げられ、100万人を超える雇用が創出されると見積もられています。デフレ脱却との関連は、今の日本経済の需給ギャップが約10兆円規模であることから、このギャップを防災・減災ニューディールの実施により埋めることで、緩やかな物価上昇(それに伴う企業収益・個人所得の上昇)を誘引できるの、という考えに基づいています。

わかりやすく言えば、今の日本は、長い景気低迷と個人消費の落ち込みで、供給に対し大きな需要不足に陥り、それがデフレ(物価下落)を招いているので、その需要不足(=買い物不足)を政府の公共投資で補完していこうということです。このアプローチにはすでに多くの経済学者や有識者から賛同の声を頂いています。

「しかし、毎年10兆円もの公共投資の財源はどうするの?」という声や、「バラマキ型公共事業の増加につながるのでは?」という疑問も寄せられています。財源については、基本法案に明確に盛り込みましたが、建設国債と地方債、そして復興債の仕組みを応用した「ニューディール債」で資金調達し、さらに民間資金を積極的に活用します。

これらは国民の借金とはなりますが、老朽化した社会インフラの改善は、その後長く国民の財産となりますし、大規模自然災害が来る前に予防的に行う事業は、起こって甚大な被害が生じた際のことを考えれば、実は事前に取り組んだほうがコストは安くなります。さらに、この政策で地域経済の活性化が実現すれば、さらにその財政負荷は軽減されることになります。

また、私たちのニューディール政策は、橋や道路などハード面での公共事業だけでなく、ソフト事業も多く含んだ内容になっています。たとえば、防災教育の充実、情報通信の強化、学校の避難所機能の強化、災害時の自治体間の相互応援協定の拡充、などです。昨年の東日本大震災の教訓を風化させることなく、今後の事業に徹底的に活用していこう、という考え方です。

この基本法には、「危機管理庁」を政府内に設置し、大規模自然災害への政府対応を一元化することも盛り込まれています。これは、私個人の年来の主張、公約でもあり、力を入れて推進していきたいと思います。残念ながら昨年の大震災直後の政府対応は、各省庁の連携が不十分でバラバラな面がありました。危機管理庁が司令塔となって、効率良く国民の生命と財産を災害時に守れる体制を作ることは喫緊の課題だと思います。

今後の国会論戦などで、公明党の主張を堂々と展開していきます。