遠山清彦です。本年最後の大仕事は、今年3度目の韓国訪問でした。井上幹事長を団長に、韓国政府の招請で3日間ソウルに滞在し、昨日帰国しました。政府並びに政党関係者、大学教授などの有識者との意見交換や視察を行ってきました。北朝鮮情勢についても、様々な情報と意見を交換してきました。羽田から、行きのフライトは2時間20分、帰りは1時間45分、本当に近いです。

日本と同様、韓国も激動の時代を迎えています。経済面では、これまでの韓国経済の成長を支えてきたウォン安のマイナス面が顕在化し、インフレと失業問題(特に若者)がクローズアップされています。電子産業等で成功した富裕層が登場している陰で、低所得者層もまだまだ多く、「格差」問題も大きな注目を集めています。自殺率も日本を越えてしまいました。少子高齢化も進行し、福祉・社会保障の充実が政治の大きなテーマになっています。

韓国経済はGDP全体の貿易依存率が約90%であり、約26%の日本とは大きく異なります。例えば、世界経済の動向は、韓国は日本の三倍速くその影響を受けるため、短期間での浮き沈みが激しくなります。二国間FTAをEUや米国と締結するなど、自由貿易ネットワークの構築では日本より先行し、成功していますが、今日のように米国や欧州経済の勢いが急落すると、その影響をまともに受けてしまうのです。

こうした状況下で、韓国政界は流動化しています。米韓FTAの強行採決で国会は大混乱し、その後与党ハンナラ党の代表は辞任。対する野党の民主党も国民の支持の受け皿になりきれず、来年4月の国会総選挙、11月の大統領選挙を前に、様々な動きがあるようです。

日韓関係も光と影があります。昨年は、日韓の合同企業体で数千億円規模の海外プロジェクトを3件も受注するなど、経済協力で大きな前進が見られました。円高も背景に、日本から韓国への投資や企業進出も進んでいます。一方で日韓FTA交渉は暗礁に乗り上げたままです。日本政府はTPP参加を表明していますが、韓国(や中国)は、TPP参加には慎重です。両国間の歴史問題や領土問題などの解決も、なかなか難しい側面があります。

それでも、今年3度訪韓した私は、率直に韓国に期待をし、両国間関係を前進させることができる、と確信しています。韓国の人々は、元気で明るく、何事にもスピード感をもって取り組む精神を持っており、日本人がそこから学ぶことは大いにあると思っています。また、両国間には様々な政策課題があるものの、今日までの文化的、歴史的な深いつながりと、民主主義と自由経済という基本的価値を共有しているアジアの先進国という意味で、共に発展していくことができると思っています。

明年は、韓国政治も、そして、日本政治も大きな変化に直面するかもしれませんが、常にポジティブに未来志向の関係を構築するため、私もさらに働いていく決意です。