遠山清彦です。マスコミは、政局ばかりに集中し、あたかも与野党が総理降ろしにばかり動いているように報道していますが、事実はだいぶ異なります。私たちは、確かに内閣不信任案を国会提出しました。菅総理には本格的な復興支援の陣頭指揮を任せられない、という立場は変わりません。しかし、それはそれとして、私たち国会議員には、立法府として必要な法律を作り、通す責任があります。毎日が真剣勝負です。

「議員立法」として、その一つの結実が、昨日、公明党中央幹事会で山口代表から公表していただいた「災害弔慰金支給法改正案」です。この改正案は、公明党復旧復興支援チーム座長である私が、衆議院法制局の職員と2日間の突貫作業で先週、たたき台をまとめ、党内論議を経て成案を得たものです。現在、自民党内でも審査をしてもらっています。与党民主党をはじめ各党にも呼びかけ、早期に成立をさせたいと願っています。

現行の災害弔慰金支給法は、昭和48年9月に議員立法で制定された法律です。災害時に死亡した者の家族にお見舞金としての弔慰金(死亡者が家計を支える人の場合500万円、それ以外の方の場合250万円)が支払われることになっています。

ところが、今回の東日本大震災後、大きな問題点が被災地域から指摘されました。それは、弔慰金の受給遺族としてこの法律に規定されているのは、配偶者、子、父母、孫、祖父母だけで、被災した際に同居していたり、生計を同じくしていた兄弟姉妹は、支給の対象になっていないという点です。(一部テレビ・新聞報道等でも、具体的な事例が取り上げられました)

この問題は、震災直後に公明党の赤羽前衆院議員に情報が寄せられ、すぐ党内で議論しました。さらに、5月16日の衆院予算委員会で私が取り上げ、細川厚労大臣も改善の必要性を確認していました。しかし、その後の政局騒動で、与党側からは動きが全くなし。私の方で急遽改正案を作成し、党内で了承されました。

そもそも支給対象に兄弟姉妹が入っていなかったのには、理由がありました。死亡された方の遺産相続の観点から、配偶者や子、孫、祖父母などの直系の家族に限定されていたのです。また、法律制定当時は兄弟姉妹はたいてい独立した世帯で生計を分けていることが多く、あまり問題にならなかったのかもしれません。

しかし、現在の日本では高齢化や未婚化が急速に進み、兄弟姉妹で同居する世帯や、生計を同じくする場合も増えています。そうしたケースの中で被災し犠牲者が出た場合においては、やはり兄弟姉妹にも弔慰金を支給するのが妥当なのではないか、そういう問題意識で改正案を作りました。

ただし、国民の血税を財源とする災害弔慰金を兄弟姉妹だから誰でも、という訳には行きません。そこで、今回の改正案では、兄弟姉妹について「死亡した者の死亡当時その者と同居し、又は生計を同じくしていた者に限る」という形で受給対象者を拡大しました。地震や津波に襲われた時に、共に同じ家に同居していたり、あるいは同居していなくても生計を同じくしていた兄弟姉妹に対して、亡くなられた方の弔慰金を出すことに、国民の皆様の理解が得られると考えています。

なお、この改正案の附則には、本年3月11日までさかのぼって適用する(遡及適用)規定も盛り込まれています。この改正案が成立すれば、東日本大震災の被災者で対象の方々にきちんと支給されることになります。

各党のご理解をいただき、早期にこの改正案を成立すべく、全力を尽くします!

【関連記事】公明新聞:弔慰金 兄弟姉妹にも(2011年6月17日付)

【関連動画】公明ウェブTV:11/06/16 災害支給金の対象拡大