遠山清彦です。菅内閣に対する自民党・公明党提出の内閣不信任案は、先週否決されたものの、菅総理退陣の流れは加速しています。もはや菅内閣は「死に体」であり、そう遠くない時期に退陣することになると思います。かつて、「総選挙なしに、総理を変えるのは民主主義に反する」と繰り返し主張していた民主党が、自ら同じことを繰り返すとは、歴史の皮肉です。

「そもそも、なぜこの時期に不信任案を提出したのか?」という疑問が多く寄せられています。しかし、私たちは、東日本大震災発生直後に復興に関して菅内閣への協力を明確に宣言し、現地調査に基づき、数多くの具体的な政策提言を行ってきました。ところが、菅総理は、国会答弁でも言い訳ばかりに終始し、結局、大きな成果もないまま2ヶ月以上が経過しました。

大震災からの復旧・復興作業で大事なのは、非常事態にふさわしいスピード感です。そのことを何度も国会の内外で繰り返し主張してきましたが、菅総理の危機感の欠如は全く改善されませんでした。例えば、公明党が大震災直後から提案してきた「復興庁」の設置も、「復興担当大臣」の任命も、いまだに実現されておりません。

4兆円超の第1次補正予算は、与野党が一致して5月初旬に通したものの、東北の被災地ではそれでカバーされていない課題も多く、早期の第2次補正予算成立を望む声が圧倒的でした。私自身、東北・岩手から戻ったその足で5月16日に衆院予算委員会の質疑に立ち、菅総理、野田財務大臣に「第2次補正予算案の早期編成・提出」を迫りましたが、のらりくらりと全く消極的な答弁に終始し、強い怒りを覚えました。

その後、民主党内でも「このままでいいのか」との批判が高まり、追い込まれた菅総理は徐々に方針転換を余儀なくされましたが、もはや私たちは「危機感も責任感も統率力もないこの人物に、総理として復興支援の陣頭指揮を執らせるべきではない」という結論に至らざるを得なかったのです。菅総理へのレッドカードです。

この思いは与党議員の多くも共有している、と感じていました。今、与党内から公然と菅総理の早期退陣の声が出ている様子を見ると、まさにこの感覚は正しかったと考えています。

そんな中、復興基本法案の修正合意が、民主党、自民党、公明党の3党でまとまり、昨日(7日)に合意案の説明を受けました。10日の衆院本会議で可決予定のこの法案、重要なポイントに公明党案が反映され、起草に関わった者として、非常にうれしく思いました。

まず、公明党案にだけ盛り込まれていた「復興特区制度の整備」が合意案の第1条に明記されました。さらにそれを受けて第10条が次のように規定されています。

復興基本法修正案第10条
「政府は、被災地域の地方公共団体の申出により、区域を限って、規制の特例措置その他の特例措置を適用する制度(以下「復興特別区域制度」という。)を活用し、地域における創意工夫を生かして行われる東日本大震災からの復興に向けた取組の推進を図るものとし、このために必要な復興特別区域制度について総合的に検討を加え、速やかに必要な法制上の措置を講ずるものとする。」

この法律が成立すれば、被災地域の自治体主導で、色々な規制緩和や税制、金融上の優遇措置などを決めることができ、創造的な復興が可能となります。これは公明党の大きな成果だと思います。この復興特区以外にも、復興庁の設置の明記(第24条)、復興財源の確保の手段としての復興債の明記(第8条)など、公明党の具体的提案が採用される内容になっています。

復興の基本理念でも私たちの主張が反映されました。もともとの政府与党案の基本理念に加え、公明党は「人間の復興」「女性、子ども、障がい者等の多様な意見の反映」「共生社会」という概念を入れるべきだと主張しました。その結果、基本理念を定める法律規定の中に、「一人一人の人間が災害を乗り越えて豊かな人生を送ることができるようにすることを旨として行われる復興のための施策の推進」「女性、こども、障害者等を含めた多様な国民の意見が反映されるべき」「共生社会の実現」という表現が盛り込まれることになりました。

大震災発生後、はや3ヶ月が経とうとしています。本格的な復興作業はこれからです。公明党の主張が随所に盛り込まれた復興基本法と、それを推進する「新しい体制」で、国会議員が一致団結して東日本復興にさらに取り組んでいきます。がんばります!