遠山清彦です。本日の衆議院本会議で公明党を代表して、平成22年度補正予算案について、以下の反対討論を行いました。

平成22年度補正予算案に対する反対討論

私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました、平成22年度補正予算3案について、反対の立場から討論を行います。

以下、反対する主な理由を述べます。

まず指摘しなければならないことは、菅内閣が日本経済の厳しい現状にたいする認識が甘く、対策が全て後手に回っている点であります。「感度なし」「責任感なし」「スピード感なし」、菅総理、これがあなたの内閣の経済対策の本質です。

 デフレ、株価低迷、円高の三重苦に直面する日本経済にとって、最も重要なポイントは、本年8月でした。私たち公明党が、厳しい経済の現状と見通しを踏まえ、補正予算を含む追加的経済対策の必要性を本院予算委員会で指摘したのは、8月3日でありました。さらに9月2日には「円高・デフレ脱却へ向けて緊急経済対策」を発表し、一日も早い補正予算の編成を求めてきました。

しかし、菅内閣の、そして与党・民主党の対応はどうであったか。

9月上旬には、民主党代表選挙で約2週間の「政治空白」。為替介入も含めた円高対策への対応も遅れ、結局、本補正予算案の国会提出は、10月29日、公明党の指摘から、なんと3カ月、10月1日の臨時国会召集から1カ月も経ってからであります。この間、一体何をやっていたのですか。あまりにも、遅すぎる、あまりにも、国民生活に無頓着。この経済対策の遅れに、菅総理は極めて重大な責任があることを指摘しておきます。

第2の反対理由は、本補正予算案の中身が「中小企業に冷たい」「地方に冷たい」「農業に冷たい」予算であり、到底国民生活を守ることができない点であります。

もちろん、部分的には評価できる面もあります。例えば、子宮頚がん等ワクチン接種の公費助成、妊婦健診14回の公費助成の継続、学校の耐震化など、これまで公明党が国会等で強く主張してきた政策も一定程度反映されております。

しかし、中小企業の緊急保証制度が、景気が厳しい中で来年3月に打ち切られれば、中小企業の資金繰りはどうなるのか。再び貸し渋りや貸しはがしの問題が惹起すれば、景気回復どころではありません。

また、本補正予算案の地域活性化交付金はわずか3500億円。この程度では、地域経済の活性化、地域雇用の安定・創出には、全く不十分です。公明党が提案していた1兆2000億円規模には遠く及んでおらず、これでは「地方に冷たい」予算と断ぜざるをえません。

さらに、農業に関しても、農家は深刻な状況であります。民主党主導の戸別所得補償制度による補填分が米価の激しい下落を招いているとの指摘もある中で、政府はなぜ責任ある緊急の米価対策を取らないのでしょうか。充分な国民的議論を喚起することなく突然出してきたTPP交渉の議論も含め、菅内閣には農家への思いやりが全く感じられません。

第3の反対理由は、本補正予算案がデフレからの脱却および景気を回復軌道に乗せるために、規模を含め力強さに欠ける、極めて不十分な予算である点です。

私は、デフレ脱却と経済成長、そして財政健全化を両立させていくためには、補正予算においてこそ、使える財源をフルに活用して最大限の景気刺激策を講じることが重要であると考えます。しかし、本補正予算案では、例えば、昨年度の決算剰余金は特例措置を講じれば、なお8000億円の活用が可能であるにもかかわらず、そうはしておりません。

今回の補正予算規模は、実質は4兆円にも満たないのです。これでは、本格的な雇用創出や民間需要の喚起には力不足であり、デフレ脱却はおろか景気回復の牽引力となるのか甚だ疑問がある、と断ぜざるを得ません。

以上、反対する主な理由を3点申し上げました。

今、国民生活の現場、地方の現場を歩けば、景気回復には程遠く、「仕事がない」との声が満ち溢れています。

しかし、確固とした国家戦略も持たず、日本経済を立て直すという責任感・覚悟を持ち合わせない菅内閣には、こうした国民の声は届いていないのではないですか。

経済対策そっちのけで党内の権力闘争で騒いだり、できもしない公約をふりかざしてパフォーマンスに走る前に、今の政権には、地に足をつけて、もっと国民の声、地方の声に誠実に耳を傾けてもらいたい、と思います。

菅総理は、「有言実行内閣」と言いました。しかし、政権交代から1年余り、民主党政権は、国民に何の説明もないまま、次々とマニフェストに掲げた公約に自ら違反してきただけではないですか。政治とカネを巡っては、小沢氏の説明責任の場を設けず、マニフェストに逆行して企業団体献金を再開する。普天間、尖閣など度重なる外交課題への稚拙な対応。危機管理の欠如と、隠ぺい体質。政権の失態は数えれば、きりがありません。

菅総理、あなたの内閣は、今や「有言逆行内閣」であります。

もはや国民からは、民主党政権の政権担当能力そのものが疑われています。この点について、菅内閣の自覚と猛省を促すとともに、今後の政権運営にあたっては、どこまでも謙虚に、そして真摯に国民と向き合って行動されるよう強く訴え、政府提出の平成22年度補正予算案に対する、私の反対討論を終わります。

なお、自民党提出の組み替え動議については、認識を共有する部分はあるものの、見解を異にする部分もあり、総合的に勘案し、反対いたします。


質疑の動画が衆議院TVにアップされています。お時間ある方は、ご覧ください。

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