遠山清彦です。今月8日、菅直人氏を首相とする2度目の民主・国民新連立内閣が発足しました。世論調査の結果は、支持率が60%を超え、民主党の政党支持率も40%を超えているものも出ています。ボロボロの鳩山内閣の後の反動で「V字回復」しているのだと思いますが、17人の閣僚のうち新入閣は5人だけであり、表紙を替えただけの「ミニ鳩山内閣」(山口なつお公明党代表)というのが実態でしょう。

そして、菅内閣は発足直後に、難問山積です。まず、会期延長問題。たった6時間だけの審議で強行採決した郵政改革法案が今参院に送付されていますが、これを国民新党の亀井大臣の要求通り参院でも採決するならば、16日までの会期では不可能です。7月25日が参院選挙の延期の限界点なので、逆算すると延期できるのは2週間。この2週間の延期を決めれば、菅内閣は郵政を通す姿勢を示したことになります。

しかし、冷静に考えれば、2週間延ばしても、郵政改革法案の審議は不十分にならざるを得ず、最後は強行採決するしかない。郵政民営化については、小泉政権時代は当時野党だった民主党の要求もあり、衆院では100時間以上の審議を経て、採決した重要政策課題です。それを、衆院でたった6時間、参院でも不十分な議論のままで変更するとなると、国会の存在意義が問われる大問題となります。世論の批判は免れないでしょう。

さらに、会期を2週間延期すると、鳩山・小沢両氏の「政治とカネ」の問題への説明、新聞報道で明らかになった荒井大臣の事務所費問題、未解決の口蹄疫や普天間問題等々、予算員会等で野党側から厳しく追及される機会が増えます。これらを総合的に勘案すれば、「やはり延期はしない」という結論が民主党、特に改選を迎える参院民主党側から出てくるのは、うなずけます。

しかし、郵政改革を今国会であきらめた場合、今度は国民新党が連立離脱するという危機を迎えます。民主党内には、「秋の臨時国会で継続してやる」と約束して国民新党を説得する方法が検討されているようですが、7月の参院選で与党が過半数割れとなれば、郵政改革成立は遠のいてしまう。そう簡単に国民新党が受け入れるとは考えにくいのです。

菅内閣の発足直後に、いくら国会議員数が少ないとは言え、社民党に続いて連立パートナーが離脱するとなれば、政治的ダメージは大きいでしょうから、難しい決断にならざるをえません。

そして荒井大臣の問題は、期せずして民主党がクリーンな政党ではないことを象徴する話になってきています。菅首相は昨日、民主党本部の調査で問題なしだから問題なし、という姿勢を示しましたが、「身内に甘い」としか言いようがありません。荒井大臣は、菅首相の党内グループの筆頭の側近議員なのです。

かつて自民党の大臣に同様の問題が起こった時は、「たとえ領収書を見せても、国民の疑念は払拭できない」などと民主党は厳しく追及していました。実態がないと報道された以上、少なくとも荒井氏の事務所に計上されていた4222万円の領収書の使途について全面公開して説明し、それで国民の理解を得られるか、努力すべきでしょう。

本人が説明責任を果たす前に「党内で調査して、問題なし」とは奇兵隊内閣が聞いてあきれます。それとも、奇兵隊は「逃げる時も早い」そうですから、その言葉通り、素早く逃げてしまったのでしょうか。

国会論戦でこうした問題点を厳しく追及していきます。