遠山清彦です。週末は、久しぶりに沖縄におります。梅雨で沖縄らしくない雨天が続いていますが、これで今年は水不足の心配がなくなりそうで、良かったです。基地問題については、すでに報道で「鳩山総理5月末決着断念」と報じられており、県民の間にやるせない思いが充満しています。民主党の閣僚がどう言い訳しようが、約束が守られないことは明白です。これほどまでに国民の政治不信を招いた政権は、過去にあまりなかったのではないか、と思います。

ここまで政治の信用を貶めた民主党政権が、先週、国会に「政策決定過程における政治主導確立のための法律案」を提出しました。「信なくば、立たず」で、民主党には、もはや政治主導確立を主張する資格は全くないにもかかわらずです。私は、この法案を議題とした13日午後の本会議で再び代表質問に立たせていただき、法案の問題点について厳しく追及しましたが、以下、その要点を記します。

第1の問題点は、政治主導の意味が法案で定義されていない点です。政治主導という言葉だけがひとり歩きし、すでに民主党政権内では弊害が目立ってきています。例えば、政務三役の権限ばかり主張され、官僚が指示待ち症候群になる。党派性を帯びている政治家の過剰介入により行政の中立性や公平性が損なわれる。高度に技術的専門的な問題に迅速に対応できない、等々です。

これに関連し、鳩山総理の公約違反もあります。もともと政権発足当初は、「政策は政府、選挙と国会運営は党」という仕切りで、与党に政府の政策決定に影響する権限をあたえていませんでした。ところが、最近になって総理は、「内閣と与党は一体」などと強弁し、小沢さんがトップの民主党幹事長室の政策介入を公然と容認しています。ガソリン暫定税率の廃止先送りが典型例です。これでは、政治主導ではなくて、政治家主導、もっと言えば、小沢幹事長主導を実現するための政権になっているのではないでしょうか。笑止千万です。

2番目の問題は、政府の法案では、内閣官房や全府省に「政務参事」や「政務調査官」などという職務内容が不明なポストを新設・増員しようとしていることです。これらのポストには非国会議員を充てることになっているのですが、給与が月額37万6千円から最高は85万円と高額です。給与体系を分析した結果、これは国家公務員特別職の「特定任期付職員」と同格です。特定任期付職員とは、関連法をみると、「高度な専門的な知識経験を有する者をその専門的な知識経験が必要な業務がある場合」に政府が任用されており、具体的には弁護士や公認会計士、金融やIT専門家がその対象になっています。

ところが、一部のマスコミ報道では、民主党政権はこの高額給与の新設ポストに、すでに政府内に「専門調査員」という肩書で入っている民主党職員を採用する方針だというのです。これには、民主党が政務調査会を廃止したため、仕事がなくなった職員がいるという背景があるのです。

私はこの事を代表質問で糾弾しましたが、とんでもない、はずかしい話です。勝手に党の政務調査会を廃止しておいて、その結果失業した身内を国民の血税で高額給与を与え、養おうとしているのであれば、これは許されざる「行政の私物化」です。

私は総理に民主党職員を採用しないよう明言せよと迫りましたが、総理は明言せず、与党職員の採用の可能性を示唆しました。(ただし、「非常勤」と言いました。非常勤ならば、先ほどの給与ではないので、やや安心しましたが、はたして党内でコンセンサスがあるのか、今後注目すべきことです。)

最後に、国家戦略局という新しい部局を内閣官房長官の下に新設することが盛り込まれていますが、これも、おかしな点があります。副大臣級の国家戦略局長への指揮命令権は法律上、官房長官にあることになっていますが、内閣には国家戦略担当大臣もいる。この大臣は、法律上は、国家戦略局長への権限がないのです。

私は質問で官房長官と国家戦略担当大臣の指示が競合(=矛盾対立)した場合、どうするのか不明だ、と追及しましたが、「しかるべく調整し、最終的には総理が裁定する」という説得力のない答弁が返ってきたのみでした。

他にも、様々な問題がありましたが、それは後日配信する議事録に譲ります。いずれにしても、問題の多い中身の法案であり、私は反対です。

もちろん、私は官僚主導政治が良いとは思っていませんし、前政権時代のことで、反省すべきことは沢山あったという立場です。選挙で国民の信託を得た政治家が、最終決定を行う体制を整えるためには、普段の努力をすることが重要です。だから、方向性としての政治主導は良いと思います。

しかし、今回の民主党政権の法案は「政治主導」の美名の下に出された、行政の私物化法案ともいうべきもので、国民の利益の増進につながるとは思えません。今後、衆院内閣委員会で審議されますが、私も時に論戦に参加して問題点をさらに浮かび上がらせていきたいと思います。