遠山清彦です。九州・沖縄一円を回り、多くの企業を訪問していますが、ここ1カ月の景気の冷え込みは異常です。各企業の責任者の皆さんが一様に、「景気のさらなる悪化」を懸念しており、それに対して有効な対策を打たない民主党政権に失望を隠していません。

今の日本経済が、円高・デフレ・株安の三重苦に陥り始めていることは周知のとおりです。1ドル=84円台まで為替が一時高騰したことにより、日本の輸出産業は大きな打撃を被っています。企業の業績悪化は、そのまま社員の給与減につながるだけでなく、新規の設備投資や新卒採用の見送りなど雇用情勢の悪化に直結します。

さらに日本経済は再びデフレ(物価が下がる)状態に入っており、政府もデフレ宣言を出しました。一般的に物価が下がることは良いことだと思われがちですが、デフレ・スパイラルに陥ると良いことはほとんどありません。

景気が悪いから物が売れない→物を安くする→製造・小売業の赤字が増える→社員の給与・雇用が減る→もっと安くしないと物が売れない→さらに赤字が増える・・・これがらせん状に続いていくと、社会全体の景気が極度に冷え込んでいきます。これがデフレ・スパイラルであり、日本は今その入り口にいると言っても過言ではありません。

そして円高は海外からの輸入製品が安くなるので、このデフレ現象に拍車をかけます。円高で海外旅行が安くなるというメリットはありますが、それ以上に景気全体を冷やすというデメリットが大きいことを知らなければなりません。

そして、株安は日本の個人金融資産(の時価総額)を減少させ、資産を持っている国民の財布のひもすら締めてしまいますし、そもそも日本経済の成長率への国際評価が低いことを如実に示しているため、さらに外国からの投資を減少させる可能性があります。

いずれにしても、せっかく麻生政権末期に持ち直してきた日本経済が、急落する可能性が出ており、現政権には迅速かつ有効な対応が求められます。「事業仕分け」を評価する国民が多いのは事実ですが、しかし「つまみ食い」的に95兆円もの予算の数パーセントをカットしたところで、日本の景気全体が持ち直すわけではありません。

現在の連立政権は早急に経済対策を打つべくあらゆる手段を導入すべきです。鳩山総理は自身の偽装献金問題等の懸案で頭がいっぱいなのかもしれませんが、日々の生活で苦しんでいる国民のために何をすべきか、真剣に考え、対策を一刻も早く実行に移してもらいたいと思います。