遠山清彦です。民主党が鳴り物入りで実施した事業仕分けは、世論調査の結果を見る限り国民の高い評価を得ているようです。公明党も数年前からマニフェストで「事業仕分け」を掲げ、特別会計など一部で前政権時代に実現を勝ち取っており、その立場から申し上げれば、反対する理由はほとんどありません。

マスコミにフルオープンし、インターネットで事業仕分け審議を公開したことは、率直に評価したいと思います。国民の皆さんの多くが公金の使われ方に高い意識を持たれている今日、このような作業は必要不可欠だと私も考えています。

ただ、今回の仕分けのやり方には、多くの問題もありました。ひとつは、民間仕分け人の問題です。事業仕分けはまさに私たち国民の税金の使い道を整理して無駄を排する作業ですが、民間仕分け人は選挙で選ばれていない=国民の信託を得ていない方々であり、その方々があいまいな地位のまま、公金の廃止や凍結を事実上決定することは、法的に妥当なのかどうか、議論の余地があります。

加えて、この民間仕分け人がどういう基準で誰によって選ばれたのかも定かではありません。その意味でも、まかり間違えば、日本の将来に禍根を残す結果になりかねないと私は懸念を抱いています。

そもそも憲法上、国会は唯一の立法府であり、国権の最高機関であるわけですから、本来事業仕分けでされていた議論は国会で主に行われるべきものでした。民主党の剛腕幹事長の意向により、民主党の1年生議員が事業仕分け作業から完全排除されたことは、国会(議員)軽視であると言われても仕方ないと思います。

個々の議員の資質や専門性は、ばらばらでしょうが、1年生議員といっても選挙を経て国民の負託を背負っているのですから、若さを理由に発言すらさせないのは、やりすぎだと思います。

最近の新聞社説でも指摘があるように、民主党の国会運営は国会軽視の色が濃いと思います。政権交代後初の臨時国会で党首討論も一度もやらず(鳩山総理の追及逃れが本当の理由か)、重要法案の審議もたった1時間半ですませて強行採決を繰り返す始末。民主党や社民党が野党時代に主張していたこととほぼ正反対の行動を取っており、これでは「政権交代すれど国会変わらず」と言われても仕方がないのではないでしょうか。

95兆円という巨額の概算要求を自ら提示しておきながら、そこから1.7兆円、事業仕分けで削って自慢されても、実は日本全体にとっては景気の良い話ではありません。

最近の報道にあるように、今年度の税収は38兆円を切りそうです。収入が38兆円で、支出が95兆(実際は事項要求という別枠があり、98兆円規模)では、日本の次世代の負担増は前政権時代よりも増えることは間違いありません。

今の政権には「つまみ食い的」な事業仕分けで国民の目をそらすのではなく、もう少し根本の次元で将来ビジョンを示してもらいたいと思います。

もちろん、公明党も野党とは言え、このような問題意識で政策ビジョンを考え、発信していかなければなりません。与野党共に、危機感を持って、日本の将来を語る時が来ているのではないでしょうか。