手記 党国際局長 遠山清彦(前参議院議員)

再建へ人材育成必要
新和解プログラムの構築で日本は主導的役割を

私は、12月7日から3日間、アフガニスタンの首都カブールを訪問し、日本政府、アフガニスタン政府および国連機関の関係者らと会談を重ね現地の情報収集を行った。以下、その概要を報告させていただく。

アフガニスタンの治安情勢は悪化しており、タリバンを中心とした反政府武装勢力の影響力が増大している。首都カブールは厳戒態勢が敷かれ、日本政府の外交官や開発援助に従事する国際協力機構(JICA)職員の生活や移動は厳しく抑制されているとのことであった。

現地で非政府組織(NGO)スタッフに治安情報を提供する組織の代表との会見では、米軍増派が実現する来年以降も治安が改善する保証はなく、もはやアフガニスタンで活動する目的が人道的だろうが軍事的だろうが、武装勢力は関係なく攻撃をしかける可能性があると指摘された。
このような状況下で日本がどのような貢献ができるだろうか? 

今回の視察に基づいた所感は、以下の6点である。

(1)治安上、アフガニスタン国内に自衛隊を派遣することは厳しい

(2)これまで日本政府が取り組んできたDDR(兵士の武装解除・動員解除・社会復帰)などの活動を基盤として、元民兵に対する職業訓練や新規の雇用を創出するインフラ整備事業などは有効である

(3)タリバンなどの反政府勢力も参加できる新たな和解プログラムの枠組みの構築で、日本は主導的役割を果たすべき

(4)アフガニスタン国内の地元NGOと連携した人道・開発支援プログラムを構築し、その実施のために市民社会ルートでの財政支援を強化すべき

(5)アフガニスタンの平和構築・国家再建に長期的視点で最も必要なのは人材であり、同国からの留学生受け入れ枠を今後5年間、大幅に増やすことも検討すべき

(6)現政府への批判の最大の根拠である汚職慣行について、一掃するためのプログラム策定をカルザイ大統領に要求すべき。

日本政府は、来年1月にインド洋での補給活動を中止することを決めている。補給活動停止後、ただ50億ドルの財政支援だけして終わり、という「小切手外交」に陥るのであれば、国際社会で平和構築活動をリードしようという日本の威信の低下は免れないと考える。日本の市民社会=NGOの成長も著しい今日、国民の血税が真に有効に使われるような貢献策を官民結束して考案し、実施してもらいたいと切に願うものである。

なお、アフガニスタン滞在中、最もうれしかったのは、同国下院副議長を務めた女性議員のコーフィ女史と会談できたことであった。彼女がNGOを設立し、女性や若者を支援している姿は、まさにアフガニスタンにも「人道の世紀」が訪れていることを象徴していた。

活動アルバム「アフガニスタン訪問」も併せてご覧ください。