遠山清彦です。民主党は「無駄な公共事業を中止する」というマニフェストの立場から、群馬県の八ッ場(やんば)ダムの建設中止を選挙前から公約しています。前原氏が国土交通大臣に就任し、その方針通り、中止を明言しました。

ご存知のとおり、地元住民をはじめとして、すでに約2000億円ものダム建設関連負担をしてきた1都5県の知事たちが猛反発、深刻な問題になっています。

公明党の山口代表は、22日にどの政党にもさきがけて、ダム建設現場に入り、地元の皆さんの声にじっくり耳を傾けました。

私自身は、政治家として、前原大臣のマニフェストにこだわる気持ちがわからないわけではありません。また、一部のマスコミや評論家が「たとえ中止によるコスト増が数百億円でも、一部の住民が不利益を被ることがあっても、民意を得て政権交代したのだから、当初の方針(マニフェスト)通り中止すべきだ」と主張していることを、全く荒唐無稽だとも思いません。

しかし、それでも釈然としないのは、この問題への民主党政権の対処の仕方が「上から目線」だと感じるからです。言い方を変えれば、ダム建設の行方によって生活や人生に大きな影響を受ける国民の皆様に対し、「民主党は選挙で勝ったのだから、我慢するのが当然だ」と言わんばかりの態度が見え隠れしているということです。

民主党は選挙前に八ッ場ダム建設の経緯や必要性について詳細に調査・検討したとは思えません。民主党出身の上田埼玉県知事は、この点について怒っています。また、中止を唱えながら、その後の将来像も明快に示しておりません。

とにかく前の政権の取り組みを「否定する」ことだけが決まっており、その後どうするかという点があいまいなのです。現地で生活している皆さんにとっては、全てが現実であり、明日をあいまいに生きていく事などできません。

前原大臣は今月23日に現地視察をしましたが、視察する前から「中止する方針」を明示していました。これでは住民の意見を初めから無視することを意味しています。はたしてこれが民主政治のあり方として正しいのでしょうか。

後期高齢者医療制度の廃止の問題も同様です。この制度が100%完璧だとは言いませんが、もし廃止するのであれば、廃止した結果、保険料が増加する高齢者への手当をどうするのか、健保組合と国保を統廃合することが可能なのか、長妻大臣は誰でも納得のいく青写真を示す責任があります。その責任を放棄して、「選挙で勝てば何をしてもいい」という姿勢を取るならば、政治不信を深めるだけではないか、と懸念しています。

民主党政権が民意によって誕生したにも関わらず、その民意を無視するような政治を行うのであれば、公明党は国会論戦でその姿勢を厳しく糾弾していきます。