遠山清彦です。衆院選も、投票まであと15日を残すところまできました。昨日、沖縄で新聞の見出しを見て驚きました。「民主公約工程 高速道路を国有化 債務は国が継承」。まさかとは思いましたが、民主党の政策は、私が講演会で指摘してきた通りの「愚策」であることが、これではっきりしました。

報道によると、民主党は高速道路の原則無料化を実現するために、高速道路を国有化し、現在約31兆円ある債務を60年間かけて国民の税金で返済するという方針を固めたとのこと。

国鉄も民営化し、道路公団も民営化し、電電公社も民営化し、国民の皆さんから高い評価を受けています。その民営化の流れに逆行し、高速道路を「国有化」するとは、共産国家でもあるまいし、唖然とします。高速道路無料化に公然と反対してきた民主党の前原副代表たちは、こんな愚策に納得したのでしょうか?

多くのメディアや専門家から指摘されてきたように、高速道路建設の借金である債務を国民全体の税金で返済しようという民主党の方針は、「受益者負担の原則」に反しているという根本問題があります。

「受益者負担の原則」とは、高速道路を使って利益を受ける人がその負担をする、という原則ですが、民主党案では車を持っていない人やほとんど高速道路を利用しない多くのみなさんにまで、高速道路の負担を押し付けることになります。自動車を持たない人、自転車にしか乗らない人からも高速道路の維持費やその人件費を負担していただくことは、理解を得られるとは思えません。

さらに、高速道路の料金収受関連業務で働く人の数は、約1万6000人。無料化されれば、この大半が解雇される可能性があります。高速道路無料化に伴って、経営が傾くとされている鉄道会社やフェリー会社でも大量解雇が発生する可能性も指摘されているのです。

民主党の政策の「マイナス副作用」として、数万人規模の失業者が発生する可能性があることになりますが、民主党マニフェストにはこの問題にどう対処するのか、ほとんど言及がありません。受けの良い「無料化」という政策の裏に、どれだけ多くの人々の痛みや苦しみ、不安が隠されているのか、ごまかしの政策で国民を欺く民主党の姿勢に、私は憤りを覚えます。

政府与党が現在実施している高速道路料金の割引制度と、民主党の無料化政策は根本的に趣旨が違います。与党の割引政策は、緊急経済対策の一環として、2年間限定であり、また受益者負担の原則から完全無料化はしていません。ETCの普及促進にもつながっているため、渋滞解消=二酸化炭素排出量削減にも貢献できる政策となっています。

一方、民主党の無料化政策は未来永劫続くものであり、物流コストの低減による経済効果があったとしても、それをはるかに上回る環境負荷や国民負担増の問題があり、私は容認できないと思っています。

各地の講演で何度も叫びましたが、もう一度改めて、声を大にして叫びたいと思います。

「気をつけよう 甘い言葉と 民主党!」。これを合言葉にあと2週間戦います!