遠山清彦です。GW中に発売されていた『週刊東洋経済』(5月2・9日合併特大号、122?145頁)には、民主党の政策検証特集が組まれており、読み応えがありました。詳細は記事そのものに譲りますが、これを一読するだけでいかに民主党が、いい加減な政策論で国民に幻想を与えているかが理解できます。

とにかく財源論や制度論がめちゃくちゃです。昨年、民主党は後期高齢者医療制度廃止を主張して騒ぎましたが、廃止をして(=高齢者の保険料は大幅に増額される)その後にどのような制度にするのか、不明であり無責任。

年金制度について民主党が主張する「一元化」は、民主党自身の試算では追加で5.8兆円の予算がかかるが、消費税を上げずにどうやって確保するのか、まったく不明。さらに、一元化によって毎月の保険料が倍増する可能性が高い自営業者等に対する明確な説明もしていません。

そもそも今5%の消費税から来る国の税収の全てを年金に充ててしまうと、その一部から投入している介護や高齢者医療の予算が不足するわけで、それを補う予算をどこから持ってくるかも説明していません。

2兆円の定額給金を「天下の愚策」と叫ぶのはご自由ですが、毎月2万6千円のこども手当を中学3年生まで配るという民主党の政策に毎年かかる5.3兆円をどこから持ってくるのかは、これまた不明。

農家の戸別所得補償政策についても、「なぜ1兆円なのか」と国会で追及されると「1兆円という額は必要ではないかということでスタートしたのが正直なところ」とか、「1兆円のねん出について知恵を貸していただければありがたい」(平野達男・民主党参議院議員)と答弁し、与党議員は呆れてしまいました。

前回の参院選の公約も、このように財源積算の根拠があいまいなことが露呈しています。高速道路料金の無料化についても、高速道路の維持管理費やこれまでの債務約40兆円の返済を、料金収入なしでどうやって実行するのかは不明であり、しかも驚くべきことに、前述の週刊誌のインタビューで前原誠司副代表はこう答えています。

「私自身は(高速道路)無料化には反対だ。料金を半分とか3分の1にするのはいいが、受益者負担で債務を返済していく仕組みを壊すのはよくない。モーダルシフトに反するし、環境面でもマイナスだ。ほかの交通機関、特にJR貨物、JR四国は大きな打撃を受ける。JR九州や北海道も相当厳しくなる。」

皮肉にも、まさに正論と言えますが、民主党の代表経験者ですらここまで明確に否定する高速道路無料化政策をいまだにマニフェストの柱に掲げているのは、いったいどういうことなのでしょうか?

民主党の議員たちは、党内の意見集約すらせずにマニフェストを出してきて、平気なのでしょうか?それとも「多くの国民は、どうせ気づかないだろう」とタカをくくっているのでしょうか?公明党では、まずありえません。民主党の政治姿勢は、国民に対して大変不誠実と言わざるをえません。

来る衆院総選挙に向け、私たちは堂々たる政策論を国民の前でしていかなければなりません。