遠山清彦です。私は平成13年7月に参院議員として初当選し、これまで8年間、政治の世界に身をおきながらマスコミと接してきました。そのうえで、日本のマスコミの政治に関する報道には1つの大きな特徴があると感じています。それは、良かれ悪しかれ政策的争点あるいは話題の1つに焦点を絞り(シングル・イシュー)、それに対して集中的なネガティブキャンペーンを展開して世論に大きな影響を与えることです。

ここ最近この対象になったのは、定額給付金です。昨年は、ガソリン税高騰問題と長寿(後期高齢者)医療制度。さらに以前には、議員の年金未納問題もありました。年金未納問題キャンペーンは、今考えると「一体何だったのか?」と思うほど激しいものでした。「誰が未納か?」という追及は、一時魔女狩りの様相を呈し、与党側では当時の福田官房長官が辞任し、野党側でも菅民主党代表も辞任に追い込まれました。解せないのは、その時には官房長官や野党党首までが辞任する理由だったはずの未納問題も、福田氏が総理大臣になる時には何ら問題にされなかったことです。

定額給付金をめぐるマスコミ報道に、似たような傾向性を感じているのは、私一人ではないでしょう。世論調査では7割の国民が反対とされていますが、同じ対象者の9割は同じアンケートで「給付金を受け取りたい」と答えています。奇妙な結果と言えますが、要は政策評価の質問に対しては「テレビであれだけ酷評されているのだから、評価しない」という答えが大勢を占めるが、自分自身の対応については「受け取りたい」という人が圧倒的多数だということです。前者の答えはテレビの受け売りであり、後者が自らの考えであることは言うまでもありません。だから、政府与党が給付金実施へ向けて進むのも、約9割の民意を反映したものであり、決して恥ずべきことではないのです。

それにしても、私が驚いたのは、民主党の鳩山幹事長が北九州に市議選応援に来て、発言した内容です。1月31日の八幡東区での街頭演説で、「給付金は愚策。しかし、反対するのは国政の仕事。みなさん、給付金が出たらぜひもらってください。(中略)北九州だけもらえなくなることはありません。」、とぬけぬけと言ったのです。「愚策」と言いながら、「もらってください」と言う。国民を愚弄するのもいい加減にしてもらいたいと思います。

定額給付金が実現したら、世論の潮目は変わるでしょう。民間会社も、自治体も、さまざまな知恵を出して給付金の消費を促進し、盛り上げることは間違いありません。そうなったときに、声高に反対を叫んでいた民主党議員達はどうするのだろうかと思っていましたが、鳩山幹事長などは、「私は、前から『もらってください』と言ってましたよ」と居直るつもりなのでしょう。いつものパターンです。

昨年の今頃テレビに登場した民主党の「ガソリン値下げ隊」は、いったいどこに行ったのでしょうか?まさに、風見鶏のような同党の体質が、ここに象徴的に表れています。結局、民主党は、国民生活と向き合っているのではなくて、マスコミ論調の風を見ているにすぎないと思います。このような政党に、私たちの暮らしをゆだねることはできません。