遠山清彦です。九州・沖縄の各地域を回り、「地方の再生を図るには、農業の再生が鍵だ」と強く感じています。日本の食糧自給率が39%で、先進諸国で最も低いレベルにあることは、すでに周知の事実です。そこで国会論戦では、与野党の議員がこの自給率を向上させる必要性を声高に叫んでいます。しかし、政治家がいくら抽象的なスローガンを叫ぼうとも、農業の現場では深刻な事態が進んでいます。

まず、農家の高齢化と担い手不足という問題があります。日本では兼業・専業を含めて農業従事世帯数は約270万といわれていますが、550万人あまりの農業従事者の平均年齢は62歳であり、約58%が65歳以上の高齢者です。農水省が進めてきた減反・減産政策とこの高齢化の結果、いわゆる耕作放棄地(法律上農地として登録されながら、いかなる農作物も生産されていない土地)が全国で39万ヘクタール(埼玉県とほぼ同じ面積)にまで拡大してしまいました。これでは、WTO(世界貿易機関)農業交渉の問題で日本の農業を守るといっても、肝心の足元から崩壊しつつある産業が日本の農業なのです。

また外国産の農作物の危険性に対する警鐘が鳴らされて久しいですが、日本の食糧輸入量は、金額にしてなんと5.5兆円にのぼっており、これに対して輸出がたったの2600億円あまりと、日本の農業貿易の実態はありえない入超状態に陥っており、これでは日本の若者が魅力を感じる産業とは到底言えないものになっています。

ではどうすればいいのか?この問題の答えは、最近発刊された「農業が日本を救う」(財部誠一著)に詳しく書いてありますが、私としては以下の3点が大切だと感じています。

(1)農地法等関連の法律や政令・省令を抜本改革するとともに、必要な予算措置を講じて「耕作放棄地=遊休農地」の再利用を促すこと。

(2)地方の高校を出て東京・名古屋・大阪などの都市部に出て働いているが、派遣社員など非正規雇用で未来の展望が開けない若者等を念頭に、農業への就業誘導政策を国が責任を持って行うこと。

(3)若者がより魅力を感じられる(=率直に言えば、儲かる)農業にするため、「守りの農業」から「攻めの農業」への大転換を図る。

最後の点については、とにかく、1億2千万の人口をかかえ、世界最高水準の農作物を作る技術を保有している日本が、農業貿易で前述したような体たらくでは、若者をひきつけることは困難だと思います。近年、米の中国への輸出などが話題になっていますが、もっと日本の安全でおいしい農作物を外貨獲得のタマとして使う姿勢が重要だと思います。この点では政府も農水省だけに丸投げするのではなく、外務省や経済産業省などをはじめ政府全体を上げて農業再生に取り組むことが重要だと思います。

公明党はこれまで農業政策を主導してきたイメージは弱かったわけですが、先日の全国代表者会議で太田代表が発表した「グリーン産業革命」政策の柱に農業再生を掲げています。「農業に若者が戻る」ということは、「地方に若者が戻る」ことを意味し、地方に若者が戻ることが地域活性化の基盤であることはいうまでもありません。私は農業の専門家ではありませんが、「地方再生の鍵は農業再生」との信念に立って、国政復帰後は農業再生に全力を尽くしたいと決意しています。