遠山清彦です。今日は、宮崎にいます。昨日(17日)の公明党宮崎県本部の新春懇話会に参加してごあいさつさせていただきました。宮崎は私にとって特別な場所です。平成11年2月から約2年間、宮崎国際大学(清武町)で教べんをとった地。今、九州沖縄地域の担当となり、思う存分この有縁の地域発展のために頑張ろうと決意しています。

さて最近のテレビ報道や国会論戦を聞いていて、本当に野党の議員諸君の発言に呆れています。その最たるものは、定額給付金批判です。野党の最大の主張は、「2兆円の定額給付金を撤回し、雇用や社会保障など他の政策の予算として組みなおせ!」というものです。しかし、政府与党は昨秋成立した第1次補正予算、今参院で審議中の第2次補正予算、そしてこれから審議する来年度予算の3つ合わせて、総額75兆円の景気対策を組んでいるわけで、なぜそのうちの2兆円の定額給付にこれほど固執して批判するのか、意味がわかりません。

政府は75兆から2兆円を引いた残りの73兆円で、多くの政策を実行することにしています。その中には、中小企業の資金繰り支援の強化、妊産婦検診の無料化、介護報酬の引き上げ、高速道路料金の引き下げ、臨時の雇用対策支援、地方自治体が様々な事業に使える交付金の増額等々、実に多種多様な政策が盛り込まれていることは、新聞報道にもある通りです。そういう中で、2兆円の定額給付のように、政治家や役人ではなく国民の皆さんがその使い道を決める景気対策があっても私は何も問題がない、と思っています。今の野党の議論を聞いていると、あたかも定額給付以外の政策がないかのような誤解を国民の皆さんに与えており、これは事実と異なります。

また、「定額給付では経済効果がない」という意見もよく聞かれますが、果たして本当でしょうか。約500兆円の日本のGDPの内訳で最大の項目は「個人消費」であり、その規模は約300兆円にもなります。今、どんな政党が政権の座にあっても、景気浮揚を図るためには、この「個人消費」に刺激を与えなければならないことは火を見るより明らかです。定額給付はまさに1億2千万の国民全員に税金を戻して使っていただくわけですから、この目的に資するものです。国会での政府答弁は、定額給付金の消費により「約0.2%のGDP押し上げ効果が期待される」というものですが、仮に2兆円すべてが消費された場合、最大で0.4%までその効果は上がることになっています。最近の日本経済のGDP成長率は、1%を超えない年も多いことを考えれば、0.2-0.4%でも押し上げ効果があれば、十分な経済効果です。

野党議員の中には、テレビで堂々と「失業者が定額給付金をもらっても、すべてポケットに入れるだけだ。これは常識だ」とか、「将来の消費税増税に備えて、貯蓄に回す人が多い」などと発言していますが、何の根拠もない主張です。失業している人や生活に苦しい人が、定額給付金をすべて貯金することが常識だとは、誰も思っていないでしょう。そもそも、日本の貯蓄率は現在、過去最低であり、既存の貯蓄を取り崩して暮らしている方も実際に増えているわけです。

また野党は、定額給付金と消費税の増税とを強引にリンクしようとしていますが、2兆円の財源は特別会計のいわゆる「埋蔵金」を充てるわけで、未来の世代に負担のつけは回さない仕組みになっています。この2兆円は、将来の税負担(消費税も含む)で穴埋めする構造にはなっていないわけですから、後段の主張も根拠は全くありません。

さらに、1月8日の衆院予算委員会で、公明党の北側幹事長が野党の矛盾した政治姿勢について非常に重要な指摘を行いました。幹事長はまず定額給付金が、近年米国や英国など先進各国で実施されている「給付つき税額控除」政策にきわめて近い政策であることを指摘し、与謝野大臣も同意しました。その上で、社民党も公約で3兆円の定額減税を掲げていること。民主党も昨年末に策定した税制大綱で給付つき税額控除をすると提案している事実を指摘しました。つまり、本来は「野党は定額給付金に反対する理由はない」ということです。

では、なぜここまで民主・社民両党をはじめ、野党は反対しているのか?私は、本当の理由は、「自分たちが政権をとった時にしようと思っていた政策を、先に公明党、自民党に実行されるのが悔しい」からだ、と考えています。国民の生活のためでもなんでもない、まさに幼稚な嫉妬心で反対しているということです。

特に、民主党については、過去にも同じことをしています。民主党は、子育て支援の柱である児童手当の拡充に一貫して国会の採決で反対し続けたにもかかわらず、今マニフェストでは「こども手当」なる政策を掲げています。今になれば、以前の国会での反対は、党利党略のパフォーマンスでしかなかったことは明白です。とにかく、こんな幼稚な行動パターンをとる政党に政権担当能力はないということを、国民のみなさんにご理解をいただきたいと思います。

最後に、世論調査で定額給付金を評価しないという結果が7割を超えているという事実をどうとらえるか、という問題です。私は多くの国民のみなさんがマスコミ報道(特にテレビ報道)にかなり影響されて、ネガティブな評価を下していると思います。私自身がみても、とにかくひどい批判キャンペーンが毎日のようにテレビ番組で行われてきており、「これだけテレビで悪く言っているのだから、悪い政策だろう」と思うのは仕方がないほどです。しかし、先日の産経新聞に報道されていたように、「実際に給付金が始まったら受け取ります」と答えた人は約85%に上っており、評価の面と実際の行動面でズレがあることも事実です。

私の推測では「定額給付という政策は、あれだけ多くの人が批判しているので、評価できないが、自分が受け取れるようになれば、受け取る」というのが国民の大多数の一般的な心象ではないでしょうか。私たちとしては、受け取っていただいて、それを生活資金の一部として使っていただければ、生活支援と内需拡大という政策目標を達成することができるわけですから、堂々とこの定額給付金を実現してまいりたいと思います。