遠山清彦です。昨日15日、全国で20万隻の漁船が一斉休漁(ストライキ)しました。これは史上初の事態です。高騰する燃料費(原油)の影響と魚の売り上げ減で経営難に陥る漁業者が増えています。私も先週那覇市で親子3代漁業に従事する御家族を訪問し、ひざ詰めで懇談しました。「燃料代が3倍になったが、獲ってきた魚の値段は同じ。このままではやっていけなくなる」とのこと。これまで公明党は5回に渡り、政府に原油高対策の申し入れをしてきましたが、現場の苦境を打開できていません。さらに踏み込んだ支援策を早急に検討し、実施していきたいと思います。

それにしても、止まらない原油高の背景は何なのか?新聞各紙では専門家が頻繁に登場し、説明がされています。私が外務省で政務官をしていた頃は、「中国・インドなど急速に経済発展している国がエネルギー需要を高めているからだ」という説が有力でしたが、最近はそのような需要供給バランスの問題だけでは説明がつかないほどの高騰ぶりです。何しろつい数年前まで1バレル当たり58ドルだった原油が145ドルほどまでなっているのです。

その意味では昨日経済産業省が閣議に提出した『2008年版通商白書』の分析が示唆的です。白書には原油や食料の原因を政府として初めて分析した結果が報告されていますが、それによると原油高騰分の約4割は、投資・投機マネーの流入など需要・供給関係以外に起因しているとのこと。つまり、100円原油代があがったとすれば、60円は需要が増えた結果だが、40円は投機(=原油をエネルギーとして使わない団体・個人が、利益を得る目的で原油の権利を買い、後に単価があがったところで売りぬく行為)などの行動の結果だというのです。

確かに先日の日経新聞にはニューヨーク原油先物市場に投入される投資マネーの規模がここ3年で20倍に膨れ上がっているとの報道がありました。そして誰が投資しているかというと、年金基金運用団体や金融機関だとも。日本のように公的年金制度が普及していない海外諸国では、市民が民間会社の確定拠出年金などに加入しており、それを財源に資金運用をしていることは私も理解しています。

しかし、最近の需給バランスから原油の値段はあがることはあってもさがることはない最高の投機対象「商品」となり、その結果として日本だけでなく世界中で庶民の生活が圧迫されるという事態を許容していいのかどうか、私は強い疑問を感じます。

「金の延べ棒」なら投機対象でもこれほどの影響はないでしょうが、原油(または食料)は、今やどの国においても庶民生活に直結した一次産品であり、私は投機対象から除外するか、少なくとも一定の規制をかけるべきだと思います。投資機関を多く抱える米国政府は難色示しているとも伝えられますが、是非日本政府は外務省を先頭に国民の立場に立った外交活動を強化してもらいたいと思います。