公明新聞:2007年8月1日

159/189カ国・地域で実施
日本も国民投票法成立で前進
公明党は一貫して実現を推進


菅総務相(左から3人目)に要望書を手渡す(左から)鰐淵洋子青年局次長、遠山局長、山本香苗、西田実仁の両局次長(5月 総務省)

 参院選を終えたばかりの日本の選挙権は20歳になってから。しかし、世界は1970年前後に、イギリス、米国、旧西ドイツなどで投票年齢が引き下げられてから18歳選挙権が主流となった。国会図書館の調べでは現在、世界189カ国・地域のうち159カ国・地域が18歳を基準としている(サミット参加8カ国中、日本以外の7カ国すべて)。わが国にあって、一貫して18歳選挙権の実現に取り組んできた公明党の取り組みを報告する。

党青年局が総務大臣に強く要望

 今年(2007年)5月16日、遠山清彦青年局長(参院議員)をはじめとする公明党青年局の国会議員らは、総務省を訪ね、菅義偉総務相に「『18歳選挙権』の早期実現を求める要望書」を手渡した。

 前々日の14日、憲法改正の手続きを定める国民投票法が成立。対象を憲法改正に限定したとはいえ投票年齢を満18歳以上としていることで、「18歳選挙権」実現への流れは大きく前進した。同法では、施行までの3年間に公職選挙法や民法の改正など必要な措置を取ることを定めている。青年局は早期の法整備を強く申し入れたのだ。

 席上、遠山氏は公明党の一貫した取り組みを紹介し、積極的な尽力を求めた。菅総務相は「流れができつつあると思う。対応できるよう、しっかりやりたい」と応じた。

「成年=満20年以上」は100年以上前の民法が根拠

 1970年9月、公明党の多田省吾参院議員(当時)は国会で、投票年齢を20歳から18歳に引き下げるための憲法と民法との関係について政府の見解を求めた。内閣法制局側は「判断力が成熟しているのか、多分に問題がある」と答えている。

 わが国の公職選挙法(9条)には「年齢満20年以上の者」と規定されている。だが、憲法では選挙権は「成年者」(15条)とし、年齢は「法律でこれを定める」(44条)としている。公選法で満20歳以上を「成年者」とするのは、民法の「満二〇年を以て成年とす」(3条)を根拠としている。

 しかし、この規定は今から100年以上も前のもの。現実に、18歳以上は深夜労働や普通自動車の免許、結婚などで「成年」として扱われる。就職すれば納税義務も発生する。民法上の「成年」の解釈にも幅がある。

 これまで世論も、18歳選挙権実現の追い風とはなっていなかった。71年に実施された自治省の「政治意識に関する世論調査」では、18歳への投票年齢の引き下げに対し、反対は60・2%(賛成は22%)。理由の1位は「政治問題を判断する能力がないと思うから」で、6割を超える人が答えている。

 2000年、小渕恵三首相(当時)の私的諮問機関「21世紀日本の構想」懇談会が「18歳は社会的成人と見なして十分と考える」との提言を発表。同年6月の総選挙では自民党を除く各党が選挙年齢の見直しを主張したが、残念ながら実現には至らなかった。

 国会外でも、さまざまな動きが始まる。10代、20代の青年を中心に選挙年齢の引き下げをめざす活動を行うNPO法人「ライツ」が同年11月に東京で「国会議員シンポジウム」を開催。出席した公明党の高木陽介衆院議員は「若い世代も勤労や納税などの社会的責務を果たしている。選挙権も被選挙権も(社会的責務を果たす)同年齢で与えるべきだと思う」とし、若者が自分たちの手で権利を勝ち取る大切さを力説した。

 02年2月に「ライツ」が東京で開催した集会でも、公明党の石井啓一衆院議員が「18歳選挙権は青年の政治参加を促進する大きなチャンス」と主張、「少子高齢化社会を担うのは青年であり、政治家やマスコミ、市民グループなどが連携を取って意識啓発に努めるべきだ」と訴えている。

 また、公明党は02年11月には、党内に「選挙権年齢引き下げ検討プロジェクトチーム」を立ち上げ、遠山局長は青年局長就任早々にまとめた「ユースポリシー」(02年11月)に「18歳選挙権の実現」を大項目で掲げた。

 公明党の活動は国会内にとどまらない。全国各地の地方議会で公明党議員提案による「『18歳選挙権』の実現を求める意見書」が全会一致で採択されているし、各地の党県本部は「18歳選挙権アンケート」を実施したり、署名運動を活発に展開。05年2月に岩手県青年局が行った「20歳の政治意識調査」では18歳選挙権導入に42%が賛成という結果を示している。

 一方、”平成の市町村合併”も追い風に。02年9月、秋田県岩城町は合併の相手先を問う住民投票に18歳以上の町民を対象に加えた。結果、町に在住する9割近い未成年が投票に参加。18歳以上に投票資格を与える住民投票条例を施行する自治体も登場した。

全国の学校で広がる「模擬選挙」

 先のNPO法人「ライツ」と同様に特定の政党に偏らず公正・中立を保ちながら、未成年に実際の選挙を経験してもらう活動を展開する「模擬選挙推進ネットワーク」の山崎武昭代表は、「20歳を前に政治に関心を持ってもらうことが大切。そのための機会づくりを行っている」と話す。

 2005年の衆院選では全国の中学・高校42校6000人が投票、マスコミの注目を浴びた。今回の参院選でも、「政党本部探索ツアー」を実施。先月27日には、高校生が公明党本部を訪問。太田昭宏代表が”未来の有権者”たち一人ひとりと懇談を行っている。

 「参加の枠」を広げることで、その質を高めるというのが民主主義。将来の日本を背負う若者たちが、より早く政治とかかわっていけるよう、国民投票法の成立をテコに、公明党は引き続き党の総力を挙げ、「18歳選挙権」の実現をめざしていく。