遠山清彦外務大臣政務官(公明党)

日本のICC加盟などでキルシュ所長(右)と会談した遠山氏=2月15日 オランダ・ハーグ
日本のICC加盟などでキルシュ所長(右)と会談した遠山氏=2月15日 オランダ・ハーグ

 去る2月15日、オランダ・ハーグ所在の国際刑事裁判所(International Criminal Court=ICC)を訪問し、同裁判所のキルシュ所長と会談した。また、オランダ政府外務省にも立ち寄り、ワレンステインICCタスクフォース室長と意見交換を行った。

 ICCは、国際社会にとって最も深刻な罪(集団殺害罪、人道に対する罪、戦争犯罪、侵略の罪)を犯した個人を国際法に基づいて訴追・処罰する常設の国際刑事法廷で、2002年7月1日のICC条約(ローマ規程)発効を受けて現在、本格的な活動を開始している(国連安保理の付託を受けて、スーダン・ダルフールについての捜査などを実施中)。また、ハーグのICC本部には、本格的な訴訟に備え法廷などの設備が整い始めており、今回それらも視察した。

求められる日本の早期加盟
キルシュ所長らと会談 重要性アピールへ訪日要請

 ICC条約の署名国は、139カ国で、締約(批准)国もすでに100カ国に達しているが、日本は未締結のままだ。キルシュ所長もワレンステイン室長も、この点に言及し、「日本のICCへの早期加盟」を強く要望した。その理由としては、日本が1998年のICC条約採択会議で重要な役割を果たしたこと、日本の加盟がより多くのアジア諸国からの参加の促進につながること、活動を開始したばかりのICCの規範形成(ルール・メイキング)や運用のあり方に日本の知見を生かせること、などがある。

 公明党は、過去4年半にわたり国会の代表質問や委員会で、この問題を積極的に取り上げ、ICCへの早期加盟を訴えてきた(衆参で累計11回)。また、党内にICC早期加盟を推進する小委員会(委員長=荒木清寛参院議員)を設置し、外務省に働き掛けるとともに、有識者などから意見聴取してきた。

 公明党の後押しなどを受け、政府においても、ICC加盟に向けた準備作業が近年加速してきている。ICC条約の締結に必要な国内法整備について外務省、法務省を軸に関係省庁で検討を続けてきており、この作業は現在最終段階にある。ただ、加盟後の日本の分担金確保の問題が未解決のままで、これが事実上加盟への最大の障壁となっている(ICC分担金の分担率は国連の分担率をベースにしており、現行の国連分担率を適用すると、2006年の日本のICCに対する分担金は20?30数億円となる)。

 キルシュ、ワレンステイン両氏との会談では、これらの事情を丁寧に説明し理解を求めるとともに、ICCの重要性を日本国内でも幅広く宣伝するために、特にキルシュ所長の早期の訪日を要請した。所長は、訪日を前向きに検討することを確約するとともに、ICCが最も深刻な国際的罪を犯した個人を処罰する唯一の国際刑事機能を持つ常設の裁判所であることから、「紛争の抑止力」になることを強調した。

 日本外交は昨今、平和構築・紛争予防に重点を置きつつある。そういう意味からも私は、日本はICCに早期に加盟しなければならない、と考える。政府内および国会で真剣に議論し、できれば、07年度予算で財政負担の問題を克服できるよう全力を尽くしていきたい。

公明新聞:2006年3月13日付