今も避難生活20万人

 スマトラ島沖の大地震から12月26日で1年を迎える。大地震による大津波はインド洋沿岸諸国を直撃し、被害はインドネシアやタイなど11カ国に及んだ。死者・行方不明者が23万人以上に上る未曾有の大災害となった。

 大地震発生から1年、その後の復興状況はどうか。最大の被災国であるインドネシア政府によると、家などを失い避難民となった50万人のうち20万人が今も避難生活を強いられている。そのうち6万7500人が今なおテント暮らしだという。被災の大きさ、復興への道のりの険しさに、改めて慄然とせざるを得ない。

 タイでは、26日にタイ政府主催の津波一周忌記念式典が開催され、日本政府代表として遠山清彦外務大臣政務官(公明党参院議員)が出席する。遠山政務官は、前日の25日には、プーケット島カマラビーチ内にプーケット日本人会が建立した慰霊碑の除幕式にも出席する予定だ。

 慰霊碑については、公明党スマトラ島沖大規模地震・津波被害対策本部の太田昭宏本部長(党幹事長代行)と赤羽一嘉事務局長(衆院議員)が、プーケット日本人会の宮下和司会長とともに外務省を訪れ麻生太郎外相に慰霊碑建設への支援を要請していた。

 公明党は、スマトラ島沖大地震に対し、昨年12月31日から今年1月3日にかけて、政党として初めて現地へ高野博師参院議員を団長とする調査団を派遣。調査結果をもとに政府に対してインド洋沿岸諸国における津波の早期警報システム確立にイニシアチブを取ることや、感染症予防のための衛生・医療面での支援強化、行方不明者の安否確認態勢の強化へ専門家の増派などを推進してきた。

 災害発生から1年、さまざまな課題が浮き彫りになっているが、その一つに現地の防災・復興対策を推進するための人材育成支援が挙げられる。現地のNPOからの報告によると、日本をはじめ先進諸国から多額の無償資金援助が行われたものの、資金を活用するノウハウがなく、援助が生かされていないという。

人材育成支援が急務

 ちなみに、日本外務省は今月15日、スマトラ島沖大地震災害が1年を迎えるに当たり無償資金協力に関する中間報告を発表した。それによると、日本が供与した246億円(インドネシア146億円、スリランカ80億円、モルディブ20億円)のうち、実際に使われた額は32億円にとどまっている。援助資金を有効に活用できていないのだ。こうした現状は、モノやカネだけでなくヒトの支援、すなわち防災や復興についての専門知識や技術を学ぶ人的交流を通じての人材育成支援が急務であることを物語っている。

 スマトラ島沖大地震に加え、今年8月には超大型ハリケーン「カトリーナ」が米南部を襲い、米史上最大級の被害を出した。10月には、パキスタン北部で大地震が発生、約7万3000人が死亡、30万人が家を失った。まさに2005年は、前年に続き自然の猛威にほんろうされた年であり、国際社会の「援助力」が試され、問われた1年だったと言える。

 自然災害は防げない。だが、人間の知恵と共生への行動により、被害は最小化できるはずだ。世界有数の地震国であり台風常襲国である日本の果たすべき役割は誠に大きく、災害に強い国、災害に負けない地球をめざし公明党は先頭に立って闘っていく。

公明新聞:2005年12月24日付