公明党青年訪中団リポート

 公明党青年訪中団(団長=上田勇・国際局長)は、21日から26日までの6日間、北京と香港を訪問し、精力的に交流を重ねた。党青年団としての訪中は新生・公明党の結成(1998年11月)以来、初めて。一行は要人と活発に会談を重ね、青年指導者や学生らと今後の日中関係などについて率直に意見を交わした。その模様をリポートした。

北京
次の中国担う青年らと意見交換

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 中日友好協会の招待による北京訪問には、上田団長と、西田実仁、鰐淵洋子の両青年局次長が参加した。北京の4日間、一行に随行した同協会の袁敏道副秘書長は30代、潘林さんは20代。この2人に象徴されるように、北京で一行は、次の中国を担う数多くの青年たちと交流した。

 中でも、周強中国共産主義青年団(共青団)第一書記との会談は、新たな日中交流の1ページを飾るにふさわしいものとなった。共青団は7000万人以上の団員を擁する青年組織。周氏はそのトップに立つ中国の青年リーダーである。

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 周氏は、上田団長が「今回の訪中を機に、公明党と共青団との新たな交流をスタートさせたい」と提案したのに賛意を表し、「今後、共青団は公明党青年局との交流を発展させたい」と表明。

 会談は終始和やかなムードで進み、「青年の交流こそ、両国の理解と友情を深めるために最も重要」との見解で一致した。

 同会談で、鰐淵さんが、東京で中国人留学生と交流していることを紹介しつつ、「自分のできることから日中友好のため尽力したい」と述べると、周氏はすかさず、「両国に鰐淵さんのような方が多くいれば、中日関係はもっとよくなるのに」と応じ、会場は笑いに包まれた。

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 唐家セン国務委員をはじめ、劉洪才中国共産党中央対外連絡部(中連部)副部長、陳永昌、王効賢中日友好協会副会長など、日中友好の発展のため長年尽くしてきた要人との会見、懇談も相次いで行った。

 ここで要人らが繰り返し評価したのは、公明党が日中友好に果たした役割だった。唐国務委員は、公明党と中国との間に真の友情が築かれた理由を、「先人の努力を守るだけでなく、中日関係の発展を広げていこうという共通の認識があったからだ」と指摘。「現在の中日関係の中で、皆さんの訪問自体に重要な意義がある」と高く評価した。

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 日中間の歴史についても、中国の人たちは決して忘れない。行く先々で、要人は日中の2000年に及ぶ交流の歴史、戦後の国交回復に至る経緯と約束事、その後の発展をそらんじた上で、小泉純一郎首相の靖国参拝を「中日関係の障害の根源」と厳しく指摘した。

 「歴史を鑑とし、未来に向かう」という精神のもと、歴史問題を正確に認識し、かつ処理した上で、両国関係を健全で安定的な発展の軌道に乗せなければいけない――。唐国務委員の訴えに、上田団長は両国の関係改善へ全力で取り組む決意を表明。唐氏は「公明党には中日関係の安定、健全な発展へ新たな貢献をお願いしたい」と大きな期待を寄せた。

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 中国の若者たちが今の日本をどう見ているか。それを実感できたのが、清華大学国際問題研究所の教授や学生たちとの意見交換会だった。日本の大学院に当たる同研究所の学生たちからは、「日本人は米国を重視し、隣国の中国や韓国を軽視している」「日本人留学生は勉強家だが、歴史について知らない」など、率直な意見が出された。上田団長は「日中関係を何とか改善したいとの純粋な思いを感じた。感謝している」と述べた。

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 一行は視察も積極的に行った。盧溝橋近くの「中国人民抗日戦争記念館」では、献花を行った後、抗日戦争などに関する展示資料や写真、統計資料などを見て回った。北京郊外のハイテク産業地帯・中関村科学技術園区にも足を運び、パソコン企業やソフト開発会社を見学。若手のスタッフや起業家たちと活発に意見を交わした。

香港
緊密な関係構築を約し合う

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 24日夜、北京から香港へ移動した西田、鰐淵の両青年局次長は、遠山清彦青年局長と合流。翌25日には、公明党議員団は香港特別行政区(SAR)の要人と相次ぎ会談した。

 今回の香港訪問はSAR政府の招待によるもので、25日は午前10時30分から午後4時45分まで、唐英年(ヘンリー・タン)財政長官をはじめ、曾俊華(ジョン・ツァン)工商科学技術局長官、林瑞麟(スティーブン・ラム)政制局長官など、計6人の政府要人と意見を交換。途中、若者の雇用指導や就職サポート、社会体験プログラムなどを行う青少年支援施設も訪問するなど、精力的に活動した。

 香港経済は昨年、新型肺炎(SARS)の影響による低迷から見事に回復し、実質GDP(国内総生産)成長率は8.2%と過去4年間で最高の伸びを示し、今年(2005年)に入ってからも引き続き高い数値を維持している。

 この高度成長を反映してか、要人との会談はいずれも活気に満ち、日本と香港との一層「緊密な関係」の構築を約し合うものとなった。

 中でも唐財政長官との会談では、遠山氏が香港経済の見事な回復をたたえ、「日本は香港から多くのことを学びたい」と述べたのに対し、唐氏は「日本にとって、香港とのパイプを太くしていくことが経済発展のポイントになる」と指摘。関税手続きが不要の香港を大いに活用することの利点を強調するとともに、「日本経済は過去10数年間、大変な時期を送ったが、公明党が成功に導いてくれることを信じている」と期待を寄せた。

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 最終日の26日、一行は午前9時30分から、謝小華(ジャニス・ツェ)経済発展労働局副秘書長と会談した後、香港最大のコンテナターミナルのある葵涌(クワンチョン)港の香港インターナショナルターミナルズ(HIT)、香港の航空貨物を一手に引き受ける香港エアカーゴターミナル(Hactl)を相次いで視察した。

 船舶貨物を扱うHITと、航空貨物を扱うHactl。ともに効率よく貨物を搬送する世界有数の処理システムを構築しており、一行は、アジアの物流拠点としての、香港の重要な役割を改めて認識した。

公明新聞:2005年11月29日付