排煙設備や避難通路など 5年内の整備義務付け
公明党が要請 2004年度から国交省

 2003年2月に200人近くに上る犠牲者を出した韓国の地下鉄放火事件を踏まえ、国土交通省は04年度から地下駅の火災対策を強化する。
 具体的には、3月31日に「鉄道の技術上の基準を定める省令」を改正し、国の火災対策基準を満たしていない地下駅について、今後5年以内(09年度末まで)に基準を満たすよう鉄道事業者に義務付ける。
 現在の地下駅の火災対策基準は1975年に制定され、駅を新設する際に、(1)ホームから地上までの異なる2つ以上の避難通路(2)排煙を有効に行える設備――などの整備を義務付けている。ただ、基準制定前に建設された駅については、「早期に基準に適合するよう改善すること」とされているだけで、義務付けはなく、整備が進んでいないのが現状。
 韓国の事件を受けて国交省が行った調査では、全国684駅のうち、75年以前に建設された駅を中心に約4割の264駅で、排煙設備がなかったり、避難通路が一つしかないなどの不備があることが判明し、整備の遅れが裏付けられた。
 このため、国交省は建設年にかかわらず、すべての駅で火災対策基準を満たすよう義務付けることを決定。それに伴う事業費を国、地元自治体、鉄道事業者で分担する制度を創設し、排煙施設などについては、固定資産税などを軽減することにした。
 地下駅の火災対策について公明党は、韓国の事件発生後、都市部の地方議員が、地元自治体や鉄道業者に対し地下鉄の防災対策強化や安全点検を求める要請運動を展開。
 国会でも03年10月の参院テロ対策特別委員会で、遠山清彦氏が「地下鉄などが最もテロの標的となる」と指摘し、火災対策の強化を要請。これに対し小泉純一郎首相は、「十分な対策ができるよう、早速指示を出したい」と答弁していた。さらに、04年2月26日の衆院災害対策特別委員会でも石田祝稔氏が整備促進を訴えていた。
(公明新聞)