* 参議院議員 遠山清彦

 外務省が揺れている。すでに昨年「国民の信頼は地に落ちている」と指摘されたが、不祥事は今も続いている。
 今年だけでも、NGO排除問題、政治家との癒着問題、利権がらみの北方領土支援事業、そして今回の瀋陽総領事館の事件など、枚挙にいとまがない。先日は、ついに外務省職員2名が背任容疑で逮捕されるに至った。
 一連の不祥事を見ていて、私はある識者が述べていた「日本の3つの病」を思い出した。すなわち、「隠し病」、「先送り病」、そして「しがらみ病」である。自分の組織(省庁)に都合の悪いことは、とにかくまず「隠す」。やらなければならない改革があっても、無責任な幹部の手によってとにかく「先送り」にされる。そして、この2つの「病」の根源ともいえるのが、既得権益を守るために築かれた「しがらみ」である。
 今の外務省は、この3つの「病」に深く侵されているように見える。瀋陽の事件では、同省の調査報告から重大な事実がいくつか隠されていた。また、外務省改革の必要性は、少なくとも2年前から叫ばれてきたのに、一向に実はあがっていない。そして、その根本には省益擁護の「錦の御旗」のもとに築かれた政官の癒着構造が存在した。
 これらの「病」を克服するのは、並大抵ではない。しかし、危機は契機(チャンス)とも言う。民間出身で「しがらみ」のない川口大臣の改革に期待し、また大いに後押しをしていきたいと思っている今日この頃である。
(公明新聞)