遠山清彦です。平和安全法制について、九州沖縄をはじめ、全国を回って語っています。改めて、この法制について基本的な事を確認したいと思います。

大前提として、今回の法制で「専守防衛」は一切変えていません。専守防衛とは、「日本はもっぱら守るだけの国」ということです。よって、自衛隊の防衛出動は、日本国民の生命、自由、権利に死活的影響が及ぶ危険が明白で、政府と国会が共にその判断を共有した時にしか発令されません。

「戦争法案」という批判は、全く的外れです。戦争=武力行使は、今や国連憲章=国際法で禁じられています。戦争すること自体が、法律違反であり、日本が戦争をするわけがないのです。平和安全法制は、国際法のルールを破り、日本を攻撃する国などが出てきた時に、国民の生命権利をどうやって守るのか、万が一の対応について法律で定めたものに他なりません。

他国防衛は認めない

万が一、自衛隊が自衛権に基づき防衛出動する場合であっても、国会の承認は、不可欠です。これは明確に定められています。国会の承認が必要ということは、防衛出動について、政府とともに、国民の代表である国会も責任を共有する事になります。政府の勝手な判断だけではできません。

自衛隊の存在そのものを憲法違反と言っている人たちに、平和安全法制について聞いても、憲法違反と答えるのは当たり前のこと。豆腐が嫌いな人に厚揚げを勧めて断わられるのと同じです。そうした反対論は論外としても、今回の法制では、国際法上の「他国防衛を目的とした集団的自衛権」行使を認めたのではない、ということを丁寧に説明することが重要です。

憲法解釈を変えていない

日本は、国連加盟国として、国際法で認められた集団的自衛権は、権利としては持っています。しかし、この他国防衛を目的とする集団的自衛権の行使は、「自国防衛のための武力行使のみを例外として、それ以外は認めない」という、日本の憲法解釈で否定されてきました。この点は、今回の法制でも全く変えていません。自衛隊が武力行使を行えるのは、自衛の措置としてだけです。

日本は、そして自衛隊は、自ら武力行使はしません。あくまでも、日本の存立や国民の権利を脅かす明白な危機に対応するだけです。さらに言えば、自衛隊は法律に「やって良い」と書いてあることしかできないポジティブリストの組織です。法律に書いてないことを「これもできる。あれもできるようになる」という野党の主張は、的外れで根拠がありません。

国会承認なければ派遣できない

自衛隊の装備は、防御的なものに限られています。新3要件の3番目の「必要最小限の実力を行使する」とは、仮に自衛隊が防衛出動をしても、日本を防衛するために必要な最小限の武力の行使しかできない、という意味です。日本に対する武力行使が終われば、自衛隊の武力行使もそこで終わります。

自衛隊の後方支援活動は、国連PKOなどと同様に戦闘を目的としません。戦闘に巻き込まれる可能性があれば、派遣そのものをしません。巻き込まれる事を前提とする議論は、最初のボタンが掛け違っています。日本の防衛に関わる「重要影響事態」の派遣は、国会の事前承認が原則です。国際社会の平和を実現するため、各国が共同で対処する「国際平和共同対処事態」の派遣は、例外なき事前承認となっています。いずれも国会承認が必須であり、その時の政府が、勝手な判断で派遣する余地は全くありません。