遠山清彦 世界を駆ける。現場を走る。

国会質疑

     

国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の総理報告に対する代表質問

平成26年3月18日
公明党 遠山清彦

私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました、政府が昨年12月17日に閣議決定した、「国家安全保障戦略」、「防衛計画の大綱」、及び「中期防衛力整備計画」に関連し、安倍総理、外務大臣、防衛大臣に質問いたします。

地方分権が進められている今日においても、外交および安全保障に関する諸政策は、一義的には国の責任の下に決定し、遂行されるべきものであります。その点から、昨年、国家安全保障会議(NSC)が設置され、政府与党内の議論を経て、戦後初となる「国家安全保障戦略」という文書を従来の「国防の基本方針」に代えて策定したことは、大きな歴史的成果だと考えます。

しかし、まず、大切なことは、我が国が掲げる基本理念であります。

「国家安全保障戦略」の中で、それは、「平和国家としての歩みを引き続き堅持し、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく」とされています。ここで最も大切な点は、日本は「平和国家」としての地位を今後も堅持することです。

戦前の一時期、日本が他の国々への侵略と植民地支配によって多大な犠牲と苦痛を他国民に強いたことは事実であり、そのことへの猛省が戦後日本の平和国家の起点になっております。この点で、安倍総理が先般、現政権下で「河野談話を見直さない」、「村山談話を継承すること」を明言されたことは、率直に評価させていただきたいと思います。

その上で、戦後日本が築いてきた平和国家の内実とは何でしょうか。結論を先に申し上げれば、日本は単に「国連憲章を遵守する」だけの平和国家ではない、と考えます。

日本に限らず、国連加盟国が国連憲章を遵守するのは当然です。しかし、日本の場合は、それに加えて、憲法九条の平和主義の下に海外で武力行使をしないという姿勢を一貫してきたこと、唯一の被爆国として非核三原則を堅持し軍縮をリードしてきたこと、武器輸出三原則等で武器貿易を厳格に抑制してきたこと、などが含まれる平和国家としての地位を今日まで築いてきたのではないでしょうか。この点について、安倍総理の認識をうかがいます。

武器輸出三原則等の見直しについては、現在与党PTで防衛装備品の移転の新原則として策定内容が協議されておりますが、一部報道等で誤解を与えるものがあります。すなわち、この見直しで「武器輸出が全面解禁される」というものです。私たちが現在議論している方向性は「全面解禁」ではなく、今後も「禁止される輸出」と、昭和58年以来21回にも渡り例外化されてきた「許可しうる輸出」についての基準を整理・明確化し、適正審査と厳格管理の体制を強化するものです。

ただし、平和国家として、基準に適合したと判断された輸出が恣意的に運用されていないか、国民がチェックできることは極めて重要です。そこで総理に提案いたします。新原則の下での防衛装備品の移転・輸出については、類型ごとに全体の許可件数、輸出額、及び輸出先を記し、かつNSCの個別判断を検証できる情報も記した「年次報告書」を国会に提出し、当初案よりも一層の透明化を図るべきである、と考えます。総理の見解を伺います。

次に、日本の国益上、エネルギー資源等の輸送路である海上交通路の安全確保は重要であります。その観点から協力国への「救難、輸送、警戒監視及び掃海に関する装備品の輸出」も現在検討されているわけですが、この分野はそもそも警察権に基づく海上保安的要素もあり、装備もさることながら人材育成が喫緊の課題と言えます。しかるに、協力国として想定されるアセアン諸国の海保分野の人材育成は遅れており、日本からのさらなる能力向上支援のニーズが高まっております。そこで、この際、政府として、防衛交流に準ずる海保交流支援を実施するために十分な予算を確保すべきと考えますが、総理の方針を伺います。

国家安全保障の車の両輪は防衛力と外交力であることは論を待ちません。安倍総理の総理就任後の精力的外交活動には心から敬意を表します。しかし、我が国が目指すアジア太平洋地域の平和と安定の実現のためには、近隣諸国との関係改善は不可欠であります。単刀直入に申し上げますが、まず日韓首脳会談を今月オランダで開催される核セキュリティサミットの際に是非とも開いていただきたい。そして、日中についても、不測の事態を避ける信頼醸成メカニズム構築のための外交努力を粘り強く展開していただきたい。

同盟国である米国のリバランスポリシーの本質は、中国の急速の台頭という安全保障環境の変化を平和的に管理することであり、そのことを踏まえた戦略的外交を総理のリーダーシップの下に展開されることを切に望むものであります。総理の御決意を伺います。

日朝関係については、横田めぐみさんのご両親が、めぐみさんの娘であるウンギョンさんらとモンゴルで初めて面会したという展開に接し、安倍政権の拉致問題解決への強い決意を感じたところであります。今後、現在の日朝間の課長級非公式協議を局長級の公式協議へ格上げするとの報道がありますが、この協議で政府として何を目指すのか、岸田外務大臣の答弁を求めます。

政府はサイバー攻撃への対応能力の一層の強化も、目標に掲げています。内閣官房情報セキュリティーセンター(NISC)の最新資料によれば、サイバー空間における政府機関への脅威・攻撃件数は、すでに1分間に2回の頻度に達しており、金融、航空、鉄道、電力などの重要インフラへの攻撃も増加の一途をたどっております。

政府においては、これまでもサイバーセキュリティ政策の推進体制を強化してきておりますが、まだ不十分な面があります。特に、内閣に置かれている「情報セキュリティ政策会議」とその事務局であるNISCが法的基盤を欠いていることは致命的と言っても過言ではありません。早急にサイバーセキュリティに関する基本法を整備し、より実効性の高い対応ができる体制を整えるべきだと考えますが、総理の見解を求めます。

今次防衛大綱では、純然たる有事でも平時でもないグレーゾーンの事態が増加・長期化していることを指摘し、そういった事態を深刻化させない方針を示しております。しかし、従来の自衛隊の出動類型で言えば、こういった事態に対しては「海上警備行動」や「治安出動」など、自衛権でなく警察権に基づく出動で対応する整理がなされてきたはずであります。今次防衛大綱であえてグレーゾーンの事態への対応強化を打ち出した背景にはどのような問題意識があるのか、小野寺防衛大臣の答弁を求めます。

最後に、集団的自衛権の問題について、総理に二点うかがいます。総理は、最近の一連の国会答弁において「集団的自衛権を日本は主権国家として国際法上保有するが、憲法上その行使は許されない」という政府の公式見解を変える方針を示しておられます。この立場を支持する根拠の一つとして「権利として保有しているのに、それを行使できなければ権利とは呼べない」という主張がしばしばなされます。しかし、安全保障分野に限らず、国際法上の権利と国内法上の制約が相克・矛盾した場合、政府は国内法上の制約を優先して行政権を執行することが先進諸国の通例であり、現在の政府見解は妥当であると考えますが、総理の率直なご意見を伺いたい。

また、集団的自衛権の行使容認により、日米同盟の片務性を解消すべき、という主張も散見されるところです。すなわち、「日本が攻撃された時、米軍は日本を守るが、逆のケースで日本が何もしないのは同盟国としておかしい」という主張です。しかし、日米同盟は「米国が日本防衛をコミットする代わりに、日本は米軍への施設を提供する」ことで双務性を担保した形になっており、また日本有事の際には自衛隊も個別的自衛権に基づき出動することから、特段の片務性はないというのが従来の政府見解ではなかったでしょうか。この点についての、安倍総理の御見解を伺い、私の代表質問を終わります。

国会での質疑

3月18日衆議院本会議での代表質問(全文)

国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の総理報告に対する代表質問

平成26年3月18日
公明党 遠山清彦

私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました、政府が昨年12月17日に閣議決定した、「国家安全保障戦略」、「防衛計画の大綱」、及び「中期防衛力整備計画」に関連し、安倍総理、外務大臣、防衛大臣に質問いたします。

地方分権が進められている今日においても、外交および安全保障に関する諸政策は、一義的には国の責任の下に決定し、遂行されるべきものであります。その点から、昨年、国家安全保障会議(NSC)が設置され、政府与党内の議論を経て、戦後初となる「国家安全保障戦略」という文書を従来の「国防の基本方針」に代えて策定したことは、大きな歴史的成果だと考えます。

しかし、まず、大切なことは、我が国が掲げる基本理念であります。

「国家安全保障戦略」の中で、それは、「平和国家としての歩みを引き続き堅持し、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく」とされています。ここで最も大切な点は、日本は「平和国家」としての地位を今後も堅持することです。

戦前の一時期、日本が他の国々への侵略と植民地支配によって多大な犠牲と苦痛を他国民に強いたことは事実であり、そのことへの猛省が戦後日本の平和国家の起点になっております。この点で、安倍総理が先般、現政権下で「河野談話を見直さない」、「村山談話を継承すること」を明言されたことは、率直に評価させていただきたいと思います。

その上で、戦後日本が築いてきた平和国家の内実とは何でしょうか。結論を先に申し上げれば、日本は単に「国連憲章を遵守する」だけの平和国家ではない、と考えます。

日本に限らず、国連加盟国が国連憲章を遵守するのは当然です。しかし、日本の場合は、それに加えて、憲法九条の平和主義の下に海外で武力行使をしないという姿勢を一貫してきたこと、唯一の被爆国として非核三原則を堅持し軍縮をリードしてきたこと、武器輸出三原則等で武器貿易を厳格に抑制してきたこと、などが含まれる平和国家としての地位を今日まで築いてきたのではないでしょうか。この点について、安倍総理の認識をうかがいます。

武器輸出三原則等の見直しについては、現在与党PTで防衛装備品の移転の新原則として策定内容が協議されておりますが、一部報道等で誤解を与えるものがあります。すなわち、この見直しで「武器輸出が全面解禁される」というものです。私たちが現在議論している方向性は「全面解禁」ではなく、今後も「禁止される輸出」と、昭和58年以来21回にも渡り例外化されてきた「許可しうる輸出」についての基準を整理・明確化し、適正審査と厳格管理の体制を強化するものです。

ただし、平和国家として、基準に適合したと判断された輸出が恣意的に運用されていないか、国民がチェックできることは極めて重要です。そこで総理に提案いたします。新原則の下での防衛装備品の移転・輸出については、類型ごとに全体の許可件数、輸出額、及び輸出先を記し、かつNSCの個別判断を検証できる情報も記した「年次報告書」を国会に提出し、当初案よりも一層の透明化を図るべきである、と考えます。総理の見解を伺います。

次に、日本の国益上、エネルギー資源等の輸送路である海上交通路の安全確保は重要であります。その観点から協力国への「救難、輸送、警戒監視及び掃海に関する装備品の輸出」も現在検討されているわけですが、この分野はそもそも警察権に基づく海上保安的要素もあり、装備もさることながら人材育成が喫緊の課題と言えます。しかるに、協力国として想定されるアセアン諸国の海保分野の人材育成は遅れており、日本からのさらなる能力向上支援のニーズが高まっております。そこで、この際、政府として、防衛交流に準ずる海保交流支援を実施するために十分な予算を確保すべきと考えますが、総理の方針を伺います。

国家安全保障の車の両輪は防衛力と外交力であることは論を待ちません。安倍総理の総理就任後の精力的外交活動には心から敬意を表します。しかし、我が国が目指すアジア太平洋地域の平和と安定の実現のためには、近隣諸国との関係改善は不可欠であります。単刀直入に申し上げますが、まず日韓首脳会談を今月オランダで開催される核セキュリティサミットの際に是非とも開いていただきたい。そして、日中についても、不測の事態を避ける信頼醸成メカニズム構築のための外交努力を粘り強く展開していただきたい。

同盟国である米国のリバランスポリシーの本質は、中国の急速の台頭という安全保障環境の変化を平和的に管理することであり、そのことを踏まえた戦略的外交を総理のリーダーシップの下に展開されることを切に望むものであります。総理の御決意を伺います。

日朝関係については、横田めぐみさんのご両親が、めぐみさんの娘であるウンギョンさんらとモンゴルで初めて面会したという展開に接し、安倍政権の拉致問題解決への強い決意を感じたところであります。今後、現在の日朝間の課長級非公式協議を局長級の公式協議へ格上げするとの報道がありますが、この協議で政府として何を目指すのか、岸田外務大臣の答弁を求めます。

政府はサイバー攻撃への対応能力の一層の強化も、目標に掲げています。内閣官房情報セキュリティーセンター(NISC)の最新資料によれば、サイバー空間における政府機関への脅威・攻撃件数は、すでに1分間に2回の頻度に達しており、金融、航空、鉄道、電力などの重要インフラへの攻撃も増加の一途をたどっております。

政府においては、これまでもサイバーセキュリティ政策の推進体制を強化してきておりますが、まだ不十分な面があります。特に、内閣に置かれている「情報セキュリティ政策会議」とその事務局であるNISCが法的基盤を欠いていることは致命的と言っても過言ではありません。早急にサイバーセキュリティに関する基本法を整備し、より実効性の高い対応ができる体制を整えるべきだと考えますが、総理の見解を求めます。

今次防衛大綱では、純然たる有事でも平時でもないグレーゾーンの事態が増加・長期化していることを指摘し、そういった事態を深刻化させない方針を示しております。しかし、従来の自衛隊の出動類型で言えば、こういった事態に対しては「海上警備行動」や「治安出動」など、自衛権でなく警察権に基づく出動で対応する整理がなされてきたはずであります。今次防衛大綱であえてグレーゾーンの事態への対応強化を打ち出した背景にはどのような問題意識があるのか、小野寺防衛大臣の答弁を求めます。

最後に、集団的自衛権の問題について、総理に二点うかがいます。総理は、最近の一連の国会答弁において「集団的自衛権を日本は主権国家として国際法上保有するが、憲法上その行使は許されない」という政府の公式見解を変える方針を示しておられます。この立場を支持する根拠の一つとして「権利として保有しているのに、それを行使できなければ権利とは呼べない」という主張がしばしばなされます。しかし、安全保障分野に限らず、国際法上の権利と国内法上の制約が相克・矛盾した場合、政府は国内法上の制約を優先して行政権を執行することが先進諸国の通例であり、現在の政府見解は妥当であると考えますが、総理の率直なご意見を伺いたい。

また、集団的自衛権の行使容認により、日米同盟の片務性を解消すべき、という主張も散見されるところです。すなわち、「日本が攻撃された時、米軍は日本を守るが、逆のケースで日本が何もしないのは同盟国としておかしい」という主張です。しかし、日米同盟は「米国が日本防衛をコミットする代わりに、日本は米軍への施設を提供する」ことで双務性を担保した形になっており、また日本有事の際には自衛隊も個別的自衛権に基づき出動することから、特段の片務性はないというのが従来の政府見解ではなかったでしょうか。この点についての、安倍総理の御見解を伺い、私の代表質問を終わります。

2014年03月18日デイリーメッセージ 国会質疑 外交問題 安全保障

国家安全保障(武器輸出三原則、サイバー防衛)について(平成26年3月16日・本会議)

○副議長(赤松広隆君) 次に、遠山清彦君。
    〔遠山清彦君登壇〕

○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました、政府が昨年十二月十七日に閣議決定した国家安全保障戦略、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に関連し、安倍総理、岸田外務大臣、小野寺防衛大臣に質問いたします。(拍手)
 地方分権が進められている今日においても、外交及び安全保障に関する諸政策は、一義的には国の責任のもとに決定し、遂行されるべきものであります。その点から、昨年、国家安全保障会議(NSC)が設置され、政府・与党内の議論を経て、戦後初となる国家安全保障戦略という文書を従来の国防の基本方針にかえて策定したことは、大きな歴史的成果だと考えます。
 しかし、まず、大切なことは、我が国が掲げる基本理念であります。
 国家安全保障戦略の中で、それは、「平和国家としての歩みを引き続き堅持し、」「国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく」とされています。ここで最も大切な点は、日本は平和国家としての地位を今後も堅持することであります。
 戦前の一時期、日本が他の国々への侵略と植民地支配によって多大な犠牲と苦痛を他国民に強いたことは事実であり、そのことへの猛省が戦後日本の平和国家の起点になっております。
 この点で、安倍総理が先般、現安倍政権下で河野談話を見直さない、村山談話を継承することを明言されたことは、率直に評価させていただきたいと思います。
 その上で、戦後日本が築いてきた平和国家の内実とは何でしょうか。結論を先に申し上げれば、日本は単に国連憲章を遵守するだけの平和国家ではないと考えます。
 日本に限らず、国連加盟国が国連憲章を遵守するのは当然です。しかし、日本の場合は、それに加えて、憲法九条の平和主義のもとに、海外で武力行使をしないという姿勢を一貫して貫いてきたこと、唯一の被爆国として、非核三原則を堅持し、軍縮をリードしてきたこと、武器輸出三原則等で武器貿易を厳格に抑制してきたことなどが含まれる平和国家としての地位を今日まで築いてきたのではないでしょうか。この点について、安倍総理の認識を伺います。
 武器輸出三原則等の見直しについては、現在、私も参加しております与党PTで、防衛装備品の移転の新原則として策定内容が協議されておりますが、一部報道等で誤解を与えるものがございます。すなわち、今回の見直しで武器輸出が全面解禁されるというものです。
 私たちが現在議論している方向性は、全面解禁ではなく、今後も禁止される輸出と、昭和五十八年以来二十一回にわたり例外化されてきた許可し得る輸出についての基準を整理、明確化し、適正審査と厳格管理の体制を強化するものであります。
 ただし、平和国家として、基準に適合したと判断された輸出が恣意的に運用されていないか、国民がチェックできることは極めて重要です。
 そこで、安倍総理に提案いたします。
 新原則のもとでの防衛装備品の移転、輸出については、類型ごとに全体の許可件数、輸出額及び輸出先を記し、かつ、NSCの個別判断を検証できる情報も記した年次報告書を国会に提出し、当初案よりも一層の透明化を図るべきであると考えます。総理の見解を伺います。
 次に、日本の国益上、エネルギー資源等の輸送路である海上交通路の安全確保は重要であります。その観点から、協力国への救難、輸送、警戒監視及び掃海に関する装備品の輸出も現在検討されているわけですが、この分野は、そもそも警察権に基づく海上保安的要素もあり、装備もさることながら、人材育成が喫緊の課題と言えます。
 しかるに、協力国として想定されるASEAN諸国の海保分野の人材育成はおくれており、日本からのさらなる能力向上支援のニーズが高まっております。
 そこで、この際、政府として、防衛交流に準ずる海保交流支援を実施するために十分な予算を確保すべきと考えますが、総理の方針を伺います。
 国家安全保障の車の両輪は防衛力と外交力であることは、論をまちません。安倍総理の総理就任後の精力的外交活動には、心から敬意を表します。しかし、我が国が目指すアジア太平洋地域の平和と安定の実現のためには、近隣諸国との関係改善は不可欠であります。
 単刀直入に総理に申し上げますが、まず、日韓首脳会談を、今月オランダで開催される核セキュリティーサミットの際にぜひとも開いていただきたい。そして、日中についても、不測の事態を避ける信頼醸成メカニズム構築のための外交努力を粘り強く展開していただきたい。
 同盟国であるアメリカのリバランスポリシーの本質は、中国の急速な台頭という安全保障環境の変化を平和的に管理することであり、そのことを踏まえた戦略的外交を安倍総理のリーダーシップのもとに展開されることを切に望むものであります。総理の御決意を伺います。
 日朝関係については、横田めぐみさんの御両親が、めぐみさんの娘であるウンギョンさんらとモンゴルで初めて面会したという展開に接し、安倍政権の拉致問題解決への強い決意を感じたところであります。
 今後、現在の日朝間の課長級非公式協議を局長級の公式協議へ格上げするとの報道がありますが、この協議で政府として何を目指すのか、岸田外務大臣の答弁を求めます。
 政府は、サイバー攻撃への対応能力の一層の強化も目標に掲げております。
 内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)の最新資料によれば、サイバー空間における政府機関への脅威、攻撃件数は、既に一分間に二回の頻度に達しており、金融、航空、鉄道、電力などの重要インフラへの攻撃も増加の一途をたどっております。
 政府においては、これまでもサイバーセキュリティー政策の推進体制を強化してきておりますが、まだ不十分な面があります。特に、内閣に置かれている情報セキュリティ政策会議とその事務局であるNISCが法的基盤を欠いていることは、致命的と言っても過言ではありません。
 早急にサイバーセキュリティーに関する基本法を整備し、より実効性の高い対応ができる体制を整えるべきだと考えますが、総理の見解を求めます。
 今回の新しい防衛大綱では、純然たる有事でも平時でもないグレーゾーンの事態が増加、長期化していることを指摘し、そういった事態を深刻化させない方針を政府は示しております。
 しかし、従来の自衛隊の出動類型でいえば、こういった事態に対しては、海上警備行動や治安出動など、自衛権ではなく警察権に基づく出動で対応する整理がなされてきたはずであります。
 今回の防衛大綱であえてグレーゾーンの事態への対応強化を打ち出した背景にはどのような問題意識があるのか、小野寺防衛大臣の答弁を求めます。
 最後に、集団的自衛権の問題について、総理に二点伺います。
 安倍総理は、最近の一連の国会答弁において、集団的自衛権を日本は主権国家として国際法上保有するが、憲法上その行使は許されないという政府の公式見解を変える方針を示しておられます。この立場を支持する根拠の一つとして、権利として保有しているのに、それを行使できなければ権利とは呼べないという主張がしばしばなされます。
 しかし、安全保障分野に限らず、国際法上の権利と国内法上の制約が相克、矛盾した場合、政府は国内法上の制約を優先して行政権を執行することが先進諸国の通例であり、その意味で、現在の政府見解は妥当であると考えますが、総理の率直な御意見を伺いたい。
 また、もう一つ、集団的自衛権の行使容認により日米同盟の片務性を解消すべきという主張も散見されるところであります。すなわち、日本が攻撃されたとき米軍は日本を守るが、逆のケースでは日本が何もしないのは同盟国としておかしいという主張であります。
 しかし、日米同盟は、米国が日本防衛をコミットするかわりに日本は米軍への施設を提供するということで双務性を担保した形になっており、また、日本有事の際には自衛隊も当然に個別的自衛権に基づき出動することから特段の片務性はないというのが従来の政府見解ではなかったでしょうか。
 この点についての安倍総理の御見解を伺い、私の代表質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 遠山清彦議員にお答えをいたします。
 戦後日本の平和国家としての内実についてお尋ねがありました。
 戦後、我が国は、自由で、民主的で、基本的人権や法の支配をたっとぶ国をつくり、戦後六十八年にわたり、平和国家としての道を歩んでまいりました。その歩みは今後も変わりません。
 我が国は、ODAによる支援を通じて、アジア諸国の発展や、PKOを含む国際平和協力を通じ、地域と世界の平和と安定に貢献してまいりました。
 また、我が国は、国連憲章を遵守する平和国家として、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を堅持してまいりました。軍縮・不拡散分野における取り組みをリードし、防衛装備品の移転を厳格に管理してまいりました。
 このような歩みは、国際社会において高い評価を受けてまいりました。
 防衛装備品等の移転の透明化についてお尋ねがありました。
 防衛装備品の海外移転に関する新たな原則の策定に当たっては、平和国家としての基本理念は堅持し、また、武器輸出三原則等がこれまで果たしてきた役割にも十分配意してまいります。
 その上で、これまで積み重ねてきた例外化の実例を踏まえ、これを包括的に整理しながら、防衛装備の移転に係る具体的な基準や手続、歯どめを今まで以上に明確化し、同時に、政府全体として厳格な審査体制と適正な管理体制を構築して、内外に透明性を持った形で新たなルールを明らかにしようと考えています。
 新原則の運用状況に関する情報公開も極めて重要と考えており、従来のように個別に例外化措置を講じてきた場合に比べて透明性に欠けることがあってはならないと考えています。
 議員の御提案も踏まえ、政府として十分な説明責任を果たすとの観点から、一層の透明化を図るべく、引き続き、与党とも御相談しながら、具体的方策を検討してまいります。
 海上保安分野でのアジア諸国との交流支援についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、海上交通路の安全の確保は、我が国にとっても、また世界全体にとっても、平和と繁栄の基盤となる重要なものであります。
 こうした観点から、アジア諸国の海上保安機関の職員に対する研修実施等による人材育成への協力、各国海上保安機関との共同訓練の実施など、長年取り組んできた海上保安分野での人的交流をさらに促進し、引き続き、アジア諸国との協力関係を強化してまいります。
 日韓、日中関係についてお尋ねがありました。
 韓国は、基本的価値と戦略的利益を共有する、最も重要な隣国であります。国会の状況を含め、諸般の事情が許せば、核セキュリティーサミットに出席し、未来志向の関係構築に向けて引き続き尽力します。
 日中関係は、最も重要な二国間関係の一つです。日中間で不測の事態の発生を回避するため、第一次安倍政権の際、私から防衛当局間の連絡体制を整備することを提案し、大筋合意しましたが、中国は運用開始に合意しておらず、引き続き、積極的に働きかけを続けてまいります。
 米国のリバランス政策は、地域の安定と繁栄に大きく貢献するものであります。引き続き、地域の平和と繁栄のため、米国と協力していく考えです。
 サイバーセキュリティー政策の推進体制についてお尋ねがありました。
 サイバー攻撃への対応は、国家の安全保障、危機管理上の重要な課題と認識しております。このため、サイバーセキュリティー政策の推進体制の強化については、御指摘も踏まえつつ、法制度のあり方も含めて検討を深め、早急に機能強化を図るべく、積極的に取り組んでまいります。
 集団的自衛権についてお尋ねがありました。
 一般に、国家が国際法上の権利を行使するか否かは各国の判断に委ねられており、国内法によって国際法上の権利の行使を制限したとしても、法的には特段問題を生じるものではないと考えています。
 その上で申し上げれば、現在、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において、安全保障環境が一層厳しさを増す中、国民の生命を守り、我が国の平和と安全を確保するためにいかにすべきかという観点から、集団的自衛権等と憲法との関係について検討が行われており、まずは、この懇談会における議論を待ちたいと思います。
 日米同盟についてお尋ねがありました。
 日米安保条約は、第五条において、我が国への武力攻撃に対し日米が共同で対処することを定め、第六条において、米国に対し、我が国の安全及び極東の平和と安全の維持に寄与するために我が国の施設・区域を使用することを認めています。
 このように、日米両国の義務は同一ではありませんが、全体として見れば、日米双方の義務のバランスはとられていると考えています。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣岸田文雄君登壇〕

○国務大臣(岸田文雄君) 日朝関係につきまして御質問をいただきました。
 拉致問題は、安倍政権は、みずからの手で解決するという断固たる決意のもとで、ありとあらゆる可能性を模索しながら、我が国の総力を挙げて取り組んでいくというのが政府の方針であります。
 日朝政府間協議の再開につきましては、現時点で何ら決まったことはありませんが、政府としては、対話と圧力の基本方針のもと、日朝平壌宣言に基づき、関係国とも緊密に連携しつつ、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けて、北朝鮮の前向きな対応を引き出すべく、引き続きしっかり対応していく考えであります。(拍手)

    〔国務大臣小野寺五典君登壇〕

○国務大臣(小野寺五典君) 遠山清彦議員にお答えいたします。
 グレーゾーン事態への対応強化にかかわる問題意識についてのお尋ねがありました。
 前大綱策定以降、我が国周辺を含むアジア太平洋地域においては、領土や主権、海洋における経済権益等をめぐり、純然たる有事でも平時でもない、いわゆるグレーゾーン事態が増加し、長期化する傾向にあります。
 このようなグレーゾーン事態は、法的な概念ではなく、幅広い状況を端的に表現したものですが、このような事態については、国家安全保障会議の司令塔機能のもと、事態の推移に応じ、政府一体となってシームレスに対応することが重要だと思っております。
 このため、新大綱におきましては、グレーゾーン事態への対応を含め、各種事態における実効的な抑止及び対処の体制を強化していくこととしております。(拍手)

2014年03月16日国会質疑

「沖縄振興特別措置法」改正案について(平成26年3月12日・沖縄及び北方問題に関する特別委員会)

○安住委員長 時間の厳守をしっかり守っていただきたいと思います。
 次に、遠山清彦君。

○遠山委員 公明党の沖縄方面議長をさせていただいております遠山でございます。
 当委員会で久しぶりに質疑をさせていただきますが、時間も限られておりますので、早速、きょう議題となっております沖振法の改正案について伺いたいと思います。
 先ほど来大臣が御答弁されているとおり、昨年六月の骨太の方針で沖縄を日本のフロントランナーと位置づけていただきまして、その立場から大臣がさまざまな努力をされてきたことにまず敬意を表したいと思います。
 その上で、今回の改正は、税制面での特例措置を拡充するということで沖縄振興を後押ししていくわけでございますし、先ほど来出ております沖縄の優位性と潜在性というものを顕在化させていくということでございまして、これは大歓迎の改正案だと思っております。
 この改正案の中で、経済金融活性化特区についていろいろと新しい規定があるわけでございますが、この法律の要件を満たす沖縄県内の一地区を指定できるというふうになっているわけでございます。
 これは確認で、事務方から伺いたいと思いますけれども、この一つの地区とは、一つの自治体にしか適用できないのか、それとも、広域で複数の市町村を一括で指定することができるのか、伺いたいと思います。

○井上政府参考人 経済金融活性化特区の地域でございますけれども、法律は、内閣総理大臣が、沖縄県知事の申請に基づき、沖縄県内の一の地区を指定することができると規定しております。
 したがいまして、法律上指定する地区として、一の自治体という要件を課しているわけではございません。したがって、法律上は、一つの自治体よりも狭い区域でも広い区域でも可能ということでございます。

○遠山委員 わかりました。そうすると、法律上は、一つの自治体、市とか町に限らず指定ができるということだというふうに思います。ここは沖縄県知事に主体性を出していますので、これから沖縄の議論を見守っていきたいと思います。
 もう一つ、事務方に確認をさせていただきたいと思います。
 今回の改正案での特区は、従前の特区とは異なりまして、対象産業を金融業に限定していないということでございます。つまり、法令で対象産業分野を決めていないということでございます。
 そこで伺いたいんですが、これはどんな産業でも、つまり金融業以外でも対象になり得るのか、それとも、一定の制約がこの対象産業についてあるのか、お答えをいただきたいと思います。

○井上政府参考人 経済金融活性化特区の対象産業でございますけれども、沖縄県知事が、経済金融活性化計画におきまして、沖縄の経済、金融の活性化を図るために集積を促進しようとするものを記載するというものでございます。
 法律におきましては、この対象産業を定める経済金融活性化計画が、沖縄振興基本方針に適合するもの、沖縄の経済、金融の活性化に相当程度寄与するもの、円滑かつ確実に実施されると見込まれるものという基準に適合すると認められるときにつきましては、内閣総理大臣が計画を認定するものと規定をしております。したがって、沖縄県知事においては、これらの基準を踏まえて、総合的な観点から対象産業を設定されるものと認識をしております。
 ただし、平成二十六年度税制改正大綱におきましては、風俗産業につきましては所得控除制度の対象外と整理されているところでございまして、そうしたものにつきましては対象として適当でないと考えているものでございます。

○遠山委員 山本大臣に伺いますが、今の御答弁だと、今までは、金融特区というと沖縄では名護市だけということで、今回の法律上は、名護市だけに限らず考えていいということが一つです。それからもう一つは、今までは金融業を念頭にした特区でありましたけれども、今の御答弁、ざっくり言えば、風俗業以外はどんな産業でも対象になり得るということでございます。
 そこで、大臣、私も約十三年間沖縄に事務所を置いて活動してきた国会議員として、やはり沖縄の産業構造を見ますと、一つは、製造業が非常に弱いという傾向は変わっておりません。

 以前、前の自公政権のときにエコポイント制度というのを導入したわけですね。要するに、エコな家電等を購入するとポイントをいただくという制度で、かなり経済効果もあった政策だったと思っておりますが、今思い起こすと、沖縄に行ったら全然エコポイントの恩恵がない。つまり、エコポイントの対象になるような製品をつくる工場が、沖縄は皆無だったんですね。だから、エコポイント制度というのは、日本の他の地域では大変評価が高かったと思いますが、沖縄ではほとんど恩恵がなかった。それは、製造業が弱いということなんです。
 ですから、今回の特区で、対象で一つ製造業を入れるということを考えられるんじゃないか。それから、もちろんもう一つは、大臣も大変お詳しい沖縄の基幹産業である観光業、こういった観光業の関連などを対象に指定するということも可能なのではないかというふうに思っておりますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。

○山本国務大臣 遠山委員は沖縄の隅々まで行っておられるので、大変説得力のある御指摘だと思うんですけれども、確かに、沖縄においては、全産業の県内総生産に占める製造業の割合は非常に低いということで、これは間違いないと思います。他方、観光業が沖縄のリーディング産業として沖縄経済を引っ張っている、これも事実だと思います。
 御指摘のあったとおり、沖縄経済の発展のためには、沖縄県において相対的にウエートの低い製造業の企業活動を活性化させるということは大事だと思いますし、リーディング産業である観光業が今まで以上に沖縄経済を引っ張っていくということも大事だというふうに思います。
 製造業については、沖縄が東アジアの中心に位置するという地理的な優位性を生かした形で、その集積や企業活動の活性化の萌芽は生まれつつあるというふうに考えておりまして、例えば、沖縄の国際貨物ハブを活用する、私も会社を見てきましたが、産業用計測機器などの高付加価値製品を製造する企業の立地、こういうものが進んでおります。さらには、沖縄の豊富な資源を活用するバイオ産業の集積、こういったものも進んでいます。
 こういった動きをさらに加速させていくために、今般新たに創設する経済金融活性化特区を効果的に活用していくというのは当然だと思うんですけれども、今おっしゃった経済金融活性化特区の対象産業については、御存じのとおり、沖縄県知事が経済金融活性化計画で集積を促進しようとしている産業を記載するということになっておりますし、まずは沖縄県知事にきちっと判断をしていただくということだと思います。
 現在、沖縄県において検討中だというふうに聞いておりますけれども、沖縄県としては、北部圏域の資源を活用した製造業などを検討しているというふうに聞いています。
 いずれにせよ、沖縄の自立型経済の発展に資するような経済金融活性化特区の対象産業、これは適切に定められるということを期待したいというふうに思います。

○遠山委員 ありがとうございます。
 今の二、三回のやりとりで明確になったとおり、今回の改正案の一つの肝は、要するに、ある程度の基準は今でもありますけれども、国の法律でいろいろたがをはめてきたものを少し緩めて、沖縄が主体的に特区の地域だとかあるいは対象産業を決められるという形にしたことでございまして、これは非常に大きいと思います。
 もう一つ、今回の改正の肝になっているのは、いわゆる専ら要件の廃止でございます。
 これは、従来設けられてきた名護市の金融特区の規制でございまして、所得控除の対象となる企業は、特区内において専ら金融業務を営むことを義務づけられておりました。しかし、この規制があるために、名護の金融特区というのはもう十年以上やっているわけでございますが、実際に特区内に来る企業はほとんどない。今までの実績を伺ったら、一件だけあったけれども、その一企業も既に撤退済みということで、今ゼロなんですね。せっかく特区を設けたけれども実績がほとんどゼロという状況だったので、今回の改正は非常に重要だと理解をしております。
 そういう意味では、この専ら要件の廃止が突破口になる可能性はあると私は評価しているんですが、一方で、大臣、要件を廃止することへの懸念として、特区の特例措置を利用する企業の中で、実際には特区の外で活動して収益を上げる企業が出てくる可能性が指摘されています。
 特に、今回、この改正案の中では、特区内に置く企業の事業所の従業員の要件も十人以上から五人以上というふうに緩められて、引き下げられているわけでございまして、そうすると、特区だからこその特例措置、優遇措置を使えるんだけれども、実は特区の中で雇用している数は非常に少ないという、これも、従前とは別の理由で特区の設置の意義が薄れる可能性がある、こういう指摘が専門家から一部出ておりますが、この問題について、大臣の御見解を伺いたいと思います。

○山本国務大臣 その前に、先ほど経済金融特区の対象のお話があって、統括官の方からはっきりお話がなかったかもしれませんが、名護市を想定しているということだけちょっと申し添えておきたいと思います。もうよく御存じだと思いますが、念のため。
 それから、今の御指摘ですけれども、おっしゃったとおり、雇用創出のためには、まず企業が進出して、その企業の活動が活性化するということが非常に大事だと思っていまして、今、遠山委員御指摘のとおり、これまで特区の各種の要件が、ハードルが高かったということで、企業進出が進んでいなかったという側面はありました。
 今般、もう御存じのとおり、特区の使い勝手をよくして企業進出を促していくという観点から、この新しい特区を創設して、専ら要件廃止、それから特区の各種の要件を緩和いたしました。
 今の御心配についてなんですが、専ら要件の廃止については、ある意味でいうと、今のような御心配をなくするためのインセンティブみたいな仕組みになっています。
 これまで金融特区では、特区内で専ら金融業を営むことが要件とされていた。新たに創設する経済金融活性化特区では、特区内で主として対象産業を営むこととし、特区外での活動や対象産業以外の活動も可能とした。
 所得控除額については、所得金額に、企業の全雇用者に占める特区内の雇用者の比率を掛け合わせて算出するということにいたしました。したがって、特区内での雇用をふやせばふやすほど所得控除の額が大きくなるということで税制のメリットを受ける仕組み、これが一種のインセンティブになるというふうに我々は考えております。
 こうしたことで、今後、企業進出の増加が期待される、企業進出の増加に伴って雇用の増加につながっていくということを期待しております。

○遠山委員 わかりました。そうすると、特区の中で雇用をふやせばふやすほど優遇措置の恩恵も広がるということをインセンティブに、企業の誘致を成功させようということだと理解をいたしました。
 ぜひ、今回の改正で、山本大臣のリーダーシップのもとに、実績の上がる特区を創設できれば、このように考えております。
 最後の話題になります。
 少し法案から離れますけれども、私、従前から沖縄の遺骨収集事業について質問をさせていただいております。
 沖縄では、戦後六十八年たった今でも第二次世界大戦当時の遺骨が全ては収集されていないという問題がございます。
 沖縄県の資料によりますと、平成二十一年度は百七十三柱、平成二十二年度百二十七柱、平成二十三年度百五十一柱と毎年百柱以上の遺骨が収集されておりますし、また、厚生労働省からもデータをいただきましたけれども、沖縄県における未収骨数、まだ収容されていない御遺骨の数というのは三千五百以上あるということでございます。
 私は、大臣御承知のとおり、不発弾処理もいわば沖縄の戦後処理の問題なんですが、この遺骨収集も、やはりもっとしっかり国として責任を持ってやらなきゃいけないんじゃないかという立場でございます。
 私自身も、今から約四年前に、ガマフヤーという遺骨収集をやっている団体の遺骨収集作業に参加をさせていただきまして、貴重な経験をさせていただきました。
 こういう七十年近く前の戦争の御遺骨が日本の国内である沖縄でまだ三千五百以上残っているという状況について、大臣、どう思われているか、まず伺いたいと思います。

○山本国務大臣 今も沖縄に残る、さきの大戦で犠牲となられた方々の御遺骨の収容、これは国内最大の地上戦を経験し、苛烈な戦禍をこうむった沖縄にとっては非常に大事な課題だというふうに認識をしています。
 この御遺骨の収集については、もうこれは遠山委員よく御存じのとおり、国の責務として全ての戦域で厚労省が進めているところであって、沖縄においても、今厚労省が沖縄県等と連携しながら取り組んでいるというふうに承知をしております。
 いずれにしても、沖縄の御遺骨の収容というのは非常に重要な問題だというふうに考えておりますし、国の責務として早急に取り組むべきだというふうに沖縄担当大臣としても感じております。

○遠山委員 そこで、最後の質問になります。
 大臣、私が遺骨収集作業に参加をさせていただいたこのガマフヤーという団体は、どうやって作業を進めているかというと、実は、緊急雇用創出事業という厚労省の補助金事業を活用して、沖縄県内のホームレスの方や失業中の方を一時的に雇って遺骨収集に従事してもらう。確かに、ボランティアで遺骨収集をやっていらっしゃる方も多いんですが、沖縄の場合は数が多いものですから、こういう緊急雇用創出事業を使って人を集めてやっている面もございます。
 私、従前から、前の民主党政権さんのころから申し上げているんですが、やはり戦争というのは国の名のもとに行われたわけでございまして、そういう意味では、戦後処理の問題として国が責任を持って行う、もっと直截に言えば、その作業にかかる経費については、なるべく、今不発弾はそうなっているんですけれども、約一〇〇%国が財政支援をして、地元負担が余り生じないような形で進めることが大事なのではないかというふうに思っております。
 そういう意味で、少し知恵を出して、例えば、今、一括交付金があるわけですけれども、この一括交付金を使って、沖縄の市町村が行える対象事業のメニューの中にこの遺骨収集事業をしっかり位置づけていただくとか、あるいは、不発弾処理で政府が採用しております、特別交付金を地元負担分に充てて、事実上地元負担がないような形で、戦後処理の事業の一つとしてやっていただく、こういうことが工夫すればできるんじゃないかと思っております。
 この点についての大臣の御見解を伺って、私の質疑を終わりたいと思います。

○山本国務大臣 これも委員よく御存じのとおり、沖縄の御遺骨の収容については、厚労省において、平成二十三年度から沖縄県に情報収集事業を委託するということ等、沖縄県、地元関係団体等とも連携して、積極的に行われております。平成二十六年度も、所要の予算を計上して、引き続き着実に取り組まれるというふうに承知をしています。
 その上で、御遺骨収容に係る施策のさらなる拡充等については、これはやはり沖縄を含む全ての戦域における御遺骨収容に係る施策全体の中で考えなければいけないということもありまして、まずは所管である厚労省において検討されるべきであると考えます。
 ただし、御遺族の高齢化も進んでおりますし、そういうお気持ちも踏まえて、とにかく一柱でも多くの御遺骨を収容することが重要だということで、内閣府としても、やはり厚労省あるいは沖縄県等による御遺骨収集が積極的に行われるように、今まで以上に連携をしていくということを心がけたいと思います。
 一括交付金のお話ですけれども、やはり沖縄県側の要望ということが大事だと思うんですが、沖縄県としては、これは国の責務として取り組むべきという考えだというふうに思いますので、なかなか、要望される可能性は少ないというふうに考えますが、まずは、とにかく厚労省においてしっかり検討してもらう、しかしながら、内閣府もより積極的に連携をしていく、これが大事ではないかというふうに考えております。

○遠山委員 御遺族が高齢化しているというお話がありました。この五年以内にやらないと、遺骨を受け取る御遺族がいないという事態がもう目前でございますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 終わります。ありがとうございました。

2014年03月12日国会質疑 沖縄 沖縄振興

財務省、外務・法務省所管事項(国際協力銀行、シリア難民)について(平成26年2月26日・予算委員会第三分科会)

○遠山分科員 公明党の遠山清彦でございます。
 財務大臣、お疲れさまでございます。
 本日は、この分科会は、財務省並びに外務、法務省の所管事項について審査できるということでございますので、私は、財務省、そして、きょう、渡辺総裁にお出ましをいただいておりますけれども、国際協力銀行についてお話を伺い、また後ほど、法務省にシリア難民の問題につきまして何点か確認をさせていただきたいと思います。
 まず、JBICでございますが、私は、二〇一二年四月にJBICが日本政策金融公庫から独立する前の国会審議におきまして、当初は独立を反対しておりました。
 その理由はたった一つでございまして、やはりJBICは少し雲の上の国際金融機関という側面がありまして、日本の中小企業、中堅、中小と言った方がいいかもしれませんが、特に地方の中堅・中小企業から見ると、ほとんど関係がない金融機関という位置づけでありましたので、ぜひとも、分離独立されるならば、JBICさんのホームページには、昔から、中小企業を支援していますと書いていますけれども、その実績はかなり厳しいものが当時あったというふうに考えておりまして、ぜひ、JBIC全体として、もっと中堅・中小企業の支援、あるいは海外進出の支援、これに力を入れていただきたいと要望申し上げまして、そういう体制をとられたということで、最後は賛成に回った経緯がございます。
 昨年度の実績を拝見いたしますと、JBIC全体としては、出融資・保証承諾実績として四兆二千四百九億円ということになっておりまして、これは過去最高の実績だということでございます。そこは率直に評価をしたいと思っております。
 今後は、量的な額の側面だけではなくて、質的な面におきましても、日本の企業の海外展開をさらに支援していくことが重要になると考えておりますが、この方針について、これは財務省ですか、御答弁をいただきたいと思います。

○古川副大臣 お答え申し上げます。
 JBICは、二〇一三年四月より、海外展開支援融資ファシリティーを創設しておりまして、一三年度末時点での融資実績は百二十一億ドル、約一兆二千億円となっております。
 JBICは、金額面、量的な面のみならず、質的な面においても、例えば、委員が御指摘になりました中堅・中小企業向け融資でありますとか、あるいはリスクマネーの供給等に、質的な面での支援、ここにも力を入れることとしております。
 具体的に幾つか申し上げますと、中堅・中小企業支援につきましては、毎年度、着実に件数を積み上げておりまして、二十五年度については、十二月末時点ですけれども、昨年度の実績を超える三十七件について実施しております。
 また、リスクマネーの供給、案件形成の初期段階からの関与につきましては、例えば、インドのデリー・ムンバイ産業大動脈構想の推進主体でありますDMIC開発公社に対しまして出資を行いますとともに、積極的に経営に参加しております。これで、今後、日本企業によりますこれらプロジェクトへの参加を効果的に支援していけるものと考えております。
 こういうぐあいに、質的な面での案件の充実を通じましたより付加価値の高い支援を今後とも目指していきたいと思っております。

○遠山分科員 副大臣、ありがとうございます。
 今実績が、これは平成二十五年、昨年の十二月末時点でございますから、年度でいうとあと三カ月残っている時点での件数で三十七件ということを聞きました。これは昨年度、二十四年度が十二カ月で三十四件ですし、平成二十二年度は十四件という数でございますから、これは飛躍的に伸びているということでございます。
 私自身がJBICの事務方から伺ったところですと、これを年間五十件まで何とか伸ばしたいと今努力をされているというところですが、私個人としては、百件目指してやってくれと今言っているところなんですが、この総数がふえていること自体は評価したいと思います。
 そこで、あえて、日本の中堅・中小企業というと、副大臣よく御存じのとおり、格付でいうとやはりシングルBに当たるところが多いわけでございまして、私の関心は結構そこにありまして、このいわゆるシングルBクラスの信用力しか持っていない、しかしそれが日本の普通の中小企業なんですね。その中小企業に対して、銀行保証等の優良保証を求めない形での与信件数、つまり、JBIC自体がリスクをとるという形での融資件数は、今おっしゃった三十七件のうち何件ぐらいなのかということ。
 また、今後、このシングルBクラス、もちろん信用力、与信力の問題でいろいろ難しい面はあると思いますけれども、これをふやすという意味で、やはり地銀との連携の強化というのも大事だというふうに私は考えておりまして、この点も含めて、今後の方針も含めて御回答いただければと思います。

○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員から御指摘ございましたように、分離独立後、中小あるいは中堅企業に対する案件をふやしているということでございまして、委員御指摘のとおり、なるべく早く件数としてもっとふやしていきたいというふうには考えているところでございます。
 今委員御指摘ございましたように、中堅、中小の場合には、いわゆる格付といいますかリスクのところがありまして、これに対してどういうふうに対応するかということでございますけれども、私どもとしても、保証を必ずとるということではなくて、それぞれの企業の実態を見て、それに合わせてということで考えておりまして、現状でいいますと、今御指摘がありました件数のうち四分の一程度については、銀行保証あるいはその他の保証をとらない形での融資を既に始めておるところでございます。
 ただ、それを行うに当たりましては、私どもの方は国内に支店というのは大阪に一軒しかございませんので、そういう意味で、ネットワークを活用するというよりは、地銀あるいは信用金庫と具体的に御相談をしながら、いずれにせよ協調融資の形でそれらの機関と一緒に融資をしていくわけでありますから、そういうところと情報の交換をしながらその企業の実情を審査する、そういう形で、我々として、なるべくリスクがとれるような形の業務をしていきたいというふうに今考えているところでございます。

○遠山分科員 ありがとうございます。
 ぜひ、総裁みずからおっしゃっていただいておりますので、力を入れて、また数でも成果を上げるようにしていただきたいと思います。
 私も、実は、二年ぐらい前に、JBICにいろいろと文句をつけさせていただいた立場から、地元の福岡銀行さんを少し御紹介させていただいて、JBICと地銀の最初の連携協定はこの福岡銀行グループとやっていただいたというふうに記憶をしております、もう二年ぐらい前になりますけれども。
 やはり、地銀さんは地元の中小企業とのネットワークを持っていますし、また、JBICさんは海外では非常に知名度もあるし、信用力もあるし、また、諸外国の地方銀行とのネットワークも一部形成されているわけですので、それをうまくマッチさせることでもう少し成果が上がるんじゃないかと思っておりますので、期待をしております。
 その上で、次に、麻生財務大臣も大変頑張っておられますけれども、海外インフラ事業について少し伺いたいと思います。
 今、安倍政権で、政府また総理官邸も一体となって、またJBICもいろいろな協力をされて、積極的に海外インフラ事業を展開されていることは評価をしておりますけれども、一方で、具体的な大型インフラ案件の新規の事業権の受注の数というのは、必ずしも分離独立前に比べて目に見えてふえているとは言えない状況だと思っております。火力発電の分野を除けば、例えば、インド、中国、ブラジルなどの新興国で、再生可能エネルギー、港湾、水、鉄道事業など、いわゆる分野としても新規のインフラ分野で新規案件の受注をする、あるいは、これに対するファイナンス供与の成果、実績というのは必ずしも目立っていないというふうに思っているわけでございます。
 この点について、続いてまた総裁の方に、定量的に、分離前と比べてこういう実績がありますよという数字があれば、それを伺いたいと思いますし、先ほどの質問と同じですけれども、今後についても、この海外インフラの、特に新規のインフラ分野における新規案件の受注数をふやしていくという方針について、JBICとしてどのような立場か御説明をいただきたいと思います。

○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
 火力発電以外のインフラの件数につきましては、正直申し上げまして、分離前、分離後、余り大きな違いがないということであります。
 ただ、最近の動向でいいますと、必ずしも新興国ではなくて、先進国におけるインフラ事業の方が件数としてちょっと伸びているというところがございますけれども、今議員御指摘のような国においては、必ずしも件数は伸びていない。
 ただ、世界全体として、今ちょっと資金不足なところがございますので、従来ですと、今御指摘の国ですと、例えば、アジアであれば二割ぐらいのお金がヨーロッパの銀行、あるいは中南米でありますと四割ぐらいのお金がヨーロッパの銀行から来ていたんですけれども、この銀行自体が今ちょっと事業が余りできない、全体として細っているということで、件数が世界的にも落ちているというところがありますけれども、それでも、我々としては今までの水準は維持をしているということでございます。
 ただ、基本的には、個別個別のプロジェクトの中身だけではなくて、やはり日本の企業が出ていきやすいような環境をつくるためには、いわゆる広い意味でのグランドデザインを日本が描いて、そこに日本の企業が入っていきやすくするというようなことを考えておりまして、先ほど大臣からも御指摘ございましたけれども、インドの場合には、デリー—ムンバイの間の全体の開発をする、その青写真をつくる会社に私どもが出資をし、かつ、取締役を派遣してそういうデザインをつくっていこう、そういうことで考えております。
 それから、あと、幾つかの国との間では、インフラなどを中心として先方の各省の大臣などとあわせて議論をするということで、私が直接出向いていきまして、インフラについて、その国が今何を考えているか、あるいはどういう部分について今重点を置いているかということについての確認をしながら作業を進めていく、そういう形で支援を進めていこうというふうに思っているところでございます。

○遠山分科員 わかりました。
 いろいろな知恵を出していただいて、私は新興国ばかり強調しましたけれども、もちろん先進国でも、アメリカでもリニア導入とかいろいろな話が出ている時期でございますので、ぜひJBICの方にも積極的に頑張っていただきたいと思います。
 JBICに対する最後の質問になりますけれども、JBICが独立する際は、一つの批判の論点として、民業圧迫になるのではないかという声が学者等からございましたが、実際に独立した後はそういう声は余り上がっていなくて、ある意味、健全な民業補完という役割を金融機関で果たしていると評価をさせていただきたいと思います。
 ただ、その一方で、今アベノミクスの効果もありまして、民間の銀行、特に大手メガバンクの業績が大幅に回復をしてきているわけでございますから、JBICなどの公的資金とか公的債務保証に頼らずに民間の金融機関の活力を発揮できる状況が整ってきたというふうに思います。そういう意味でいうと、JBIC自身も少し支援のあり方をより高い次元に持っていくことが大事ではないかと思います。
 そこで質問なんですけれども、大企業やメガバンク案件などにおける協調融資比率、あるいは債務保証割合の抑制的な運用でございますとか、あるいはバランスシートの効率的な運用の観点から、既存債権の流動化推進などの分野において、今後JBICがどういう取り組み方針か、伺いたいと思います。

○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
 金融の状況は今なお、残念ながら、リーマン・ショックの後の異常時の状態にあるということでございますので、そういう時点においては、私どものような公的機関がある程度の役割を果たすということが必要な状況でありますけれども、委員御指摘のように、将来的に、いわゆる平時に戻ったときに、かつ、日本の民間金融機関が活力を戻してきたときには、我々としては、量的にはある程度小さくするということは考えております。
 ただし、異常時であるか平時であるかによってお互いの仕事の役割が余り大きく変わるというのも、やや顧客の側からすると迷惑なところがございますので、できれば、定性的に言えば、例えば、お互いの資金調達の仕組みが違うので、長いものについては我々JBICなり公的機関がある程度責任を持つ。それから、やはり、コマーシャルリスクではない、ポリティカルリスクのところというのはなかなか民間がとりにくい。ですから、そういう部分については平時であっても異常時であっても我々は責任をとるという形にしまして、あとの量的な部分については、今委員御指摘のように、民間がある程度仕事ができるような状況になってくれば、私どもの融資割合は下げていく。
 それから、保証についても、基本的にはメガバンクあたりもかなり体力がついておりますので、ある程度御自分でおやりいただけるという御判断ができるということであれば、我々も少し縮めていきたいというふうに思っております。
 あと、さまざまな出資の機能とか、それ以外の、先方の政府とトラブルが起こったときの対応の機能、こういうことについては、我々が直接、レンダーとして、先方の政府といろいろ交渉ができるというメリットもありますので、そういう面については民間の金融機関に対しての補完機能を果たしていきたい、そういうふうに考えているところでございます。

○遠山分科員 総裁、きょうは大変わかりやすい御答弁をありがとうございました。今後もJBICを応援していきたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 続きまして、もう時間が余りありませんので、少しまとめて伺うことになると思いますが、法務省にシリア難民の問題について伺います。
 まず、数字ですので二問まとめて伺いますけれども、シリアでの紛争開始後、日本で何人のシリア難民が難民申請をしているか、また、申請したシリア出身者のうち難民認定をされた人は何人で、また、難民認定はされなかったけれども、人道的配慮で在留資格を付与された人の人数は何人か、これをちょっと、数字ですけれども、まずお答えください。

○杵渕政府参考人 お答え申し上げます。
 平成二十三年から二十五年までのシリア人に関する統計数値は、次のとおりとなっております。なお、平成二十五年の統計につきましては、現在集計中であるため、未確定の数値も含んでおります。
 この期間に受理した難民認定申請は五十二件です。また、この期間に審査結果を出したのは三十四件。このうち、難民として認定した事案はございませんでした。
 これら三十四件のうち三十三件につきましては、難民条約上の難民には該当しないものの、本国事情等を踏まえ、人道的な配慮により、我が国への在留を認めることといたしました。

○遠山分科員 そうすると、五十二人のシリア人が難民申請をして、審査が終わったのが三十四人、そのうち三十三名、ほぼ全員近くに、難民認定はしていないけれども、在留資格を付与した。
 これは、そうすると、国際水準でいえば、人道的な配慮は日本政府としてしているということはかなり言えるのかなと思いますが、あえてその上でお聞きをしたいと思います。
 私、今、公明党の難民問題PTの座長もしておりますので、いろいろ情報は入ってくるわけですけれども、例えば、国際社会ではスウェーデンが、シリアの国内情勢がああいう状況でございますので、シリアからの難民申請は一〇〇%受け入れると表明をしていると聞いておりますし、あえてきょうは数字は申し上げませんけれども、他の先進諸国においても、現在のシリア情勢に鑑みて、同国からの申請者が数多く実際に難民として認定されているという情報がありますけれども、日本で難民認定がゼロというのはなぜなんでしょうか。

○杵渕政府参考人 お答え申し上げます。
 我が国の難民認定制度は、難民条約上の難民に該当するかどうかを審査し、判断するものです。シリア紛争から逃れてきたシリア人からの申請についても、本国の客観的な事情のみならず、申請者の個別事情をも考慮して条約上の難民に該当するかどうかを判断しているところです。
 なお、難民と認定しない場合でも、シリア本国の情勢等を踏まえ、人道上の配慮が必要と認められる場合には、我が国への在留を認め、庇護を図っているというところでございます。

○遠山分科員 審議官の今の御答弁は、当然、私、ずっと難民行政を見てきているので、わからないではないんですが、しかし、たしか日本政府の公式な立場としては、今のシリアのアサド政権の非人道的な行為等々について、相当厳しい立場を国際社会で表明してきていると思います。
 ですから、当然、難民申請してくる者の個別事情は違いますので、シリアから来たというだけで、はい難民ということにならないというのはそのとおりだと思いますが、他方で、一般的に報道されているニュースを見ても、かなりひどい迫害を受けている人々が相当数いることは明らかでございますので、他の先進国のように、シリアから申請してきたからすぐ認めるというのは行き過ぎにしても、これからも難民申請者が日本でふえていく中で、難民認定ゼロですよというのは、国際社会から見ると、一言で言えば、ちょっと日本が厳し過ぎるんじゃないかということは言われかねないと私は思っていますので、そこは少し念頭に置いて、当然、適正な審査をしていただいて結構なんですけれども、シリアの状況が状況ですから、難民認定ゼロですよというのも少し違和感があるな、こう思っておりますので、その点は指摘だけさせていただきたいと思います。
 最後の質問になります。
 これは、難民認定を既に受けた人の話です。それから、シリアに限りません。難民認定を受けた人の家族というのは、これは国際標準では、UNHCR等に伺いますと、原則的に、近しい家族を呼び寄せることができるということになっているわけでございます。
 日本の場合も、もちろんケース・バイ・ケースで、家族を呼び寄せるか呼び寄せないか当局が判断していると思いますが、いろいろな難民の支援関係者から伺っているところでは、日本の場合は、難民と認定されているのに、例えば両親を日本に呼べないとか、配偶者を呼べないとか、子供を呼べないとか、こういうケースが意外とあると聞いているわけでございます。
 先ほど審議官おっしゃったように、厳格な審査をして、母国において何らかの政治的等な理由から迫害があると政府が認めている難民のことを私は言っているわけですから、その直近の家族がもし母国に残されていれば、その家族も当然本人と同等かそれ以上の迫害を受ける蓋然性が高いという推測が成り立つわけでございます。
 私としては、難民として認定を既に日本の政府当局からされた方々については、一定の条件を設けた上ではありますけれども、例えば、いとこのいとことかを呼んでいいとかいうわけにはいかないですからね、しかし、先ほど申し上げたように、親とか子供とか配偶者ぐらいの範囲は、ほぼ自動的に家族統合を認めていただいてもいいんじゃないかと思いますが、その点について伺って、終わりたいと思います。

○杵渕政府参考人 お答え申し上げます。
 先生から、難民認定された方の家族についての入国、在留が認められていないのではないかという御指摘がございましたが、難民として認定された方は、定住者の在留資格を許可されて在留する、その配偶者や子供についても、定住者の在留資格を許可して、本邦での入国、在留が認められているという状況でございます。

○遠山分科員 最後に一言だけ。
 そういう御答弁ではございましたが、少し私が聞いている現実とそごがあるようでございますので、またそれは確認して具体的に協議をさせていただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

2014年02月26日国会質疑 難民支援

再生可能エネルギー(小型風力発電、地熱発電)について(平成26年2月26日・予算委員会第七分科会)

○遠山分科員 公明党の遠山でございます。
 大臣、副大臣、日々御苦労さまでございます。
 本日は、三十分の私の質疑を使いまして、再生可能エネルギーの中で小型風力発電と地熱発電に少し絞りまして、何点か質疑をさせていただきたいと思っております。
 まず、小型風力発電でございますけれども、御承知のとおり、小型風力発電は、建設によります環境破壊やバードストライクなどの生物への影響、低周波音等による人体への影響等、環境負荷が少ないエネルギーという位置づけになっております。また、小規模分散電源でございますので、系統負荷が分散され、送電設備等への負担が少ないなど、もちろん小型風力ですので、二十キロワット以下ですから、発電する電力は少ないわけでございますけれども、大型風車あるいは太陽光発電の弱点を補完できる、その可能性、潜在性が高い分散電源であるというふうに期待をされていると認識しております。
 にもかかわらず、この小型風力にかかわっている業者の皆さん、事業者の皆さんのお話を伺いますと、固定価格の買い取り制度、FITの制度での小型風力発電の活用実績というものは少し少ないのではないかという御指摘がございます。
 まず、小型風力発電のFIT制度の利用実績についてお伺いをしたいと思います。

○木村政府参考人 お答えいたします。
 平成二十四年七月に固定価格買い取り制度が始まりました。固定価格買い取り制度におきます経済産業大臣の認定を受けました小型風力発電は、平成二十五年十一月末時点の実績で九件でございます。そのうち三件が運転を開始しているという状況でございます。

○遠山分科員 今、九件というお話がございました。運転しているのはまだ三件ということでございます。
 これは、例えば風力でも、大型風力の場合はもう八十七件認められております。それから水力も、小水力でも五十三件認められているということで、これは経産省からきのういただいた資料にそう書いてあるわけでございますから、九件というのは、そして運転しているのが三件というのは、まだ利用実績としては乏しいわけでございます。
 改めて、これも木村部長がお答えになるんでしょうか、少し小型風力の利用実績が他の再生可能エネルギーに比べて少ない原因について、どのようにお考えか、御答弁いただきたいと思います。

○木村政府参考人 お答えいたします。
 固定価格買い取り制度に基づきます小型風力の導入でございますけれども、制度設計の当時は、最も発電コストが高い、それから商用の発電実績が乏しいということがございましたものですから、ただ、小型風力発電に対しまして、それは普及の重要性が非常にあるということで、調達価格等算定委員会で、事業者の方のヒアリングも踏まえまして、税抜きでございますけれども、キロワットアワー当たり五十五円という価格設定を行ったものでございます。当時の非住宅の太陽光が四十円でございましたので、これよりも相当高い水準で価格は設定させていただいたということでございます。
 その際に、小形風力発電協会からは、粗悪な小型風車を識別するために、自分たちが主導して策定した安全基準というものを固定価格買い取り制度における設備認定の要件に加えてほしい、そういう御要請をいただきまして、経済産業省では、その内容を検証いたしまして、これが国際規格に準拠しているといったことも確認いたしまして、認定基準に当該安全基準を加えることとしたものでございます。
 認定基準になりますと、当然、その認定に当たりまして、安全基準を満たしているということを経済産業局で確認ができないといけないということでございまして、そのためには、ある型式がその基準を満たしているということを確認するためのデータを取得していく必要がございます。
 その点につきましては、業界主導で試験場の整備というものを行っておられましたけれども、これがおくれていたということで、国内でそういった安全基準を満たすための十分な試験データがとりづらい、基準を満たす小型風車の数が現状なかなかふえないといった状況を生んでいる一因になっているのではないかというふうに認識をしてございます。
 加えまして、電力会社と接続をいたしますけれども、そのときに満たすべき技術的基準が不明確であったということもございまして、個別の接続協議が結構難航しているということも承知をしてございます。この点につきましては、現在、安全基準とは別に、連系の点につきまして、そちらの専門機関と一緒に基準づくりについて協議を始められているというふうに承知をしてございます。
 こういった制度整備過程におきますいきさつと申しますか、そういったものが現状、小型風力発電の量産によりますコスト低下につながっていない、したがってそれが普及を阻んでいる要因になっているというふうに考えてございまして、経産省としても、業界の取り組み状況を十分に踏まえて対応を検討してまいりたいと考えてございます。

○遠山分科員 今の木村部長の御答弁に多分尽きるとは思いますが、ただ、もちろん、小型風力発電も、国民生活に身近な場所に設置される可能性が小型であるがゆえに高いので、この安全性の基準の問題というのは非常に大事なわけです。
 それから、今の部長の答弁にあったとおり、そもそも、このFIT制度の中に小型風力を入れるときに、小型風力の業界から、安全基準をしっかり厳しく、厳格にやれというお話があったり、あるいは、認証を受けた小型風力しか使えないのは当然なわけですけれども、型式の認証を受けるための試験場を業界主導で整備しますということをおっしゃったという今の御答弁だったと思いますが、その整備がおくれているからなかなか小型風力が普及しないということも事実なんだろうと思います。
 ただ、その上で、少し経産省にお考えいただきたい、質問というより要望に近いものがあります。
 これは一応、今までの事情は事情として、さはさりながら、FIT制度の中に小型風力を位置づけて、先ほど部長の答弁にもありましたとおり、九件は認められているという状況でございます。
 私は、このことを調べ始めたときに少し驚いたのは、小型風力発電としてFIT制度を使うためには認証を受けなきゃいけない、ところが、その認証を受けられる試験場が日本にないというお話を、実は二年ぐらい前に伺いました。その後、きのうですけれども、役所の方から伺ったら、豊橋にありますよと。ところが、豊橋の試験場というのは少し使い勝手が悪い。要するに、マイクロ風車の試験をするスペースを貸すだけであって、認証を受けるためのコストは全部受験者負担であるとか、あと、複数の風車を同時に検証することはできないとか、いろいろな問題点があるということでございます。
 私としては、少なくとも小型風力としてFIT制度の中で活用できるものを認証する試験場を、先ほど部長は業界主導でということをおっしゃったわけですけれども、やはり国の制度の中に位置づけられているわけですので、少し国も積極的に支援して、認証を受けるための試験場の整備、インフラの整備、ここに少し積極的に関与していただきたいという思いを持っておりますが、御見解を伺いたいと思います。

○赤羽副大臣 まず、きょうは再生可能エネルギーのことで御質問ということなので、ちょっと前段としてお話をさせていただければと思います。
 三・一一の福島第一原発事故から、我が国のエネルギー政策は新たなエネルギー制約に直面している。その中で、原発は原発で世界一厳しい審査基準で審査を今やっているわけでありますが、いずれにしても、再生可能エネルギーをもう少ししっかり支えていかなければいけないというのは、委員のお話と全く一緒だと思っております。
 その中で、再生可能エネルギーは、太陽光もありますし、風力も大型と小型がある、地熱もある、メタンハイドレートもある。さまざまなところで、それぞれの適性に合わせた、また、どのくらいの規模ができるのかということも想定しながら、効率的にやっていかなければいけないのではないかというふうに思っております。
 小型風力につきましても、今部長から答弁がありましたが、そのボトルネックになっているのが試験場の整備がおくれているということで、これはさまざまなこれまでの業界との経緯もあるので、その経緯を踏まえつつ、今言われたように、豊橋の試験場が実際はなかなか、測定器がないとか不十分なところがある、二つ目には、北九州がことしの五月から稼働されるというようなこともあるので、いきなり国が主導して試験場云々ということの前に、業界ともう少し丁寧に話をしながら、やはり、足りない部分については最大限の支援がどうできるのかといったことをよく説明して、国としても、ある意味では限られた予算の中で継続的に支援ができるような形として、できたらこの小型風力も最終的には事業性として確立できるようなことを、育てていくという視点で、少し力点を置いて頑張っていきたい、こう考えております。

○遠山分科員 赤羽副大臣、ありがとうございます。
 今、豊橋の後に北九州のお話が出ました。実は、私は地元が福岡なのでこの北九州の話は伺っておりまして、地元の北九州市当局も、また地元の市議会議員なども、期待を持ってこの試験場の整備を応援しているという理解をしているんです。
 今、副大臣の御答弁の中で、業界の皆さんと協議しながらというお話がありましたけれども、もともと、業界主導で試験場を整備しますと言った経緯がございます。そこも踏まえながら、しかしながら、試験場ができないと何を認証していいかもなかなかわからないということでもございますので、その辺は少し経産省もより積極的に応援していただきたい。適切なアドバイスをいただくとか、あるいは北九州市もそうですし、それ以外にそういう風車の試験場を誘致したいという熱心な自治体があれば、少し経産省も応援してあげるという形で、速やかな試験場の整備をぜひ実現していただければと思います。
 それから、これまた副大臣の御答弁なのかわかりませんが、もう一点ございまして、風車の認証のほかに、きのう聞いたらJET試験とかいろいろおっしゃっていましたけれども、系統的な安全性に関する認証ということで、業界の方は、パワーコンディショナーの認証も受けないとFIT制度が使えないと。ですから、風車の認証とパワコンの認証ということがよく言われているようでございまして、それで手続的にも結構大変な面がある。
 そこで、あえて御提案で伺いたいんですが、こういった小型風力の普及拡大のために、ワンストップで風車の認証とかパワコンの認証ができるような制度を整備していただけるのか、また、そういうことに対しての、経産省としての制度面あるいは財政面での御支援というのはいただけるのか。その点について再度御質問したいと思います。

○赤羽副大臣 今おっしゃったように、この認証には二つの側面があって、前者の方はいわゆるメカニカルな部分というか技術屋の分野、後者の系統等のものは電気分野で、若干、中身というか分野が違っているということがございます。
 特に、利用者から見ると、遠山委員が言われたように、ワンストップでやる方が利用しやすいという面ではそういったことも考えていかなければいけないと思いますが、後者の、電力会社との接続に当たって満たすべき技術的水準が不明確だということ、この安全基準を今、電気安全環境研究所、JETとともに基準づくりの協議を進めている段階であるというふうに承知しておりますので、これができてから、まずそこの部分を確立させてから、その使い勝手のよさをどうしていくのかということは次の段階として取り組みを進めていきたい、こう考えております。

○遠山分科員 よくわかりました。
 一番最後の、JETとの協議が整い次第ということでございますので、それが終わった後で、また業界の意向も確認しながら、速やかに、まず認証する制度の体制を整えていただきたいということを改めてお願い申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 次は、地熱発電についてでございます。
 今月の十五日、私は、鹿児島県にある大霧地熱発電所を視察してまいりました。この発電所は一九九六年三月に操業開始ということでございまして、発電出力は三万キロワット、一般の御家庭でいいますと約一万世帯分の電力を供給する能力があるということでございました。現場は、大分高いところにある発電所で、鹿児島ですけれども寒いところでしたが、改めて地熱発電の重要性を認識させていただきました。
 赤羽副大臣も茂木大臣もよく御存じのとおり、地熱発電の特徴というのは、燃料が要らない、CO2の排出量がほとんどない、一度つくれば半永久的にエネルギーの供給が可能である、そして設備利用率も非常に高いということでございまして、この設備利用率が高いということは、原発の議論でよく出てきますけれども、ベース電源、ベース電力の担い手として実は地熱発電は位置づけられるということでございます。
 そして、日本の地熱資源量というのは世界第三位ということでございまして、これからの伸び代が最も大きな再生可能エネルギーだと認識しております。ただ、今実際に日本で地熱を利用しての発電量というのは世界で第八位ということでございまして、また、国内の電力市場の中でのシェアも低いということでございます。
 先ほどもう既に副大臣がおっしゃっているわけでございますが、これから原発への依存度を減らさざるを得ない日本のエネルギー政策の中で、この地熱発電というのは、伸び代が最も大きいという意味でも、ベース電力になり得る設備利用率の高さという点においても、また資源量が世界第三位という点においても最も潜在性が高いというふうに思っておりますけれども、この地熱発電の利用の普及拡大について、経産省としてどのような方策を持っているか。お願いいたします。

○赤羽副大臣 今、遠山委員が言われたようなことは全く私も同感で、加えて、去年十一月にIEAの世界閣僚会議に出させていただきましたが、そのときに言われたのは、エネルギーというのは安全保障に通じるものであって、なるべく国産のエネルギーを供給源として持つことが大事だと。私はそう思っておりました。
 その意味でも、今おっしゃられたように、地熱発電は、資源量が世界第三位でございますし、安定的に発電が可能なベースロード電源の一つとして今の我々政府の政策としても位置づけているところでございますので、積極的に導入すべき電源というふうに考えております。
 ただ、なかなか地域の理解促進が、これからやらなきゃいけないということと、また、開発に、初期投資に時間も相当かかる。
 私の地元でも有馬温泉がありますけれども、温泉地というのは地熱発電をやると温泉がかれるんじゃないかというような、余り正しくない誤解も随分はびこっておるものですから、そういった方々に対しては、現在も、専門家を呼んだセミナーや見学会を実施する事業として、平成二十六年度の予算案で二十八億円、平成二十五年度当初予算では二十八億円を計上しているところでございますし、加えて、地熱の再利用というんですか、ハウス栽培事業や道路の融雪、雪を解かす融雪事業等々にも使えるようにということで、しっかりと支援しているところでございます。
 加えて、結構大事なのが環境アセスの手続の問題だと思いますが、今は三、四年程度かかるというところを、平成二十六年度予算案におきまして、実地での環境影響調査を前倒しして進める場合の課題の解決を図るための実証事業、これは予算二十億を新たに盛り込んだところであります。
 こうした意味で、自国産のエネルギーをしっかりと開発していくというのは大変重要だという認識で、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。

○遠山分科員 ぜひよろしくお願いいたします。
 今まさに副大臣が御地元の有馬温泉の話をされていましたが、私も九州は大体全部回っておりまして、きょう私が言及しました大霧発電所というのは、鹿児島の霧島にあります。
 霧島温泉というと有名な温泉地の一つでございまして、実は今稼働している大霧発電所からそう遠くない場所にも地熱発電の有効な、貴重な資源があるというふうに言われておりまして、そこにつくりたいという業者さんも明確にいるわけでございますけれども、従来から霧島の温泉組合の皆様から、お湯が出なくなったらどうするんだ、誰が責任をとるんだとか、地熱をエネルギーで奪うので温泉の温度が下がるんじゃないかとか、いろいろな、若干科学的根拠が曖昧な風説が出ております。ただ、風説といっても非常に強い場合には政治的には大きな影響力がありまして、なかなか地元の市長さんも前向きになれなかったような事情がございます。
 ただ、先ほど副大臣の御答弁を聞いていて、この誤解を解くためのセミナー等を恐らくエネ庁が中心になってやっていらっしゃるんだと思いますし、関連の独立行政法人とかも努力しているんだと思いますが、二十八億円とっていただいたという話を伺いました。
 実は九州は、鹿児島に限らず、大分、それから熊本、阿蘇の方、小国とか、あちらの方にも相当な地熱資源がありまして、東北と並んで潜在力が非常に強いというふうに思っておりまして、ぜひ、そういった方面への誤解を解きつつの資源開拓というものを、経産省としても後押ししていただきたいと思います。
 時間の関係もありますし、最後の質問になります。
 日本地熱協会という民間の団体がございまして、そこが恐らく大臣宛てに去年の十一月に政策要望を出されております。いろいろなことが書かれてあるんですけれども、きょうは一点だけ。
 経産省がやっている補助事業について、継続と拡充の御要望が私にも直接ございました。当初、質問では二つ予定していたんですが、一つは地熱資源開発調査事業というものでございます。それからもう一つは、名前が似ているんですけれども、地熱発電開発費等補助事業ということでございます。ただ、後者の方につきましては、既に固定価格の買い取り制度で新規案件は対応している、既存の案件だけ継続的にやるということでございまして、そういう意味では実質廃止をされていく制度だということは理解いたしました。
 そこで、平成二十四年から始まった地熱資源開発調査事業の方につきまして、これは業界としては長期にわたる継続を要望しておりますし、また、副大臣の先ほどの御答弁にもありましたように、地熱というのは初期投資が非常に大きい。四、五十億というお話が一般的には言われておりますし、億単位のお金をかけて調査しても実はだめだったという場合もありますから、リスクも相当大きいということでございます。この辺を政府で最大限の御配慮をいただいて補助していただければ、地熱資源量世界第三位の日本にふさわしい地熱発電量を確保できていくのではないかと思います。
 この辺の補助事業の継続、拡充等についての御見解を伺って、私の本日の質疑を終えたいと思います。では、大臣、お願いします。

○茂木国務大臣 御指摘いただきました日本地熱協会の政策要望、いただいております。拝見いたしまして、地熱資源開発調査事業、平成二十六年度もしっかりと続けてまいります。
 遠山先生から御指摘いただきましたように、地熱は日本に極めて豊富な資源でありまして、CO2を出さない、そしてベースロード電源として活用できる。さらに申し上げると、日本の技術はすごいんですね。例えば、海外、ケニアのナイロビの近郊でも、日本の技術を使って地熱発電等々が進められている。さまざまな可能性を持っていると考えておりますが、課題として、高い開発コスト、リスク等々が挙げられるわけであります。
 経済産業省として、この課題の解決策の一つとして、御指摘をいただきました地熱資源開発調査事業を平成二十四年度からスタートしておりますが、平成二十六年度予算案におきましても六十五億円を計上いたしております。地熱発電の導入促進に向けまして、こうした支援をしっかりとやっていく。同時に、先ほど赤羽副大臣からも答弁がありましたけれども、環境アセスを含め、規制のあり方、こういったものも検討していく必要がある、このように考えております。

○遠山分科員 大臣、大変力強い御答弁をありがとうございます。
 今大臣のお話を伺っていて、実は、大分県の玖珠町という小さな町でございますけれども、たしか私の記憶では、もう十年以上前、もっと前ですか、二十年ぐらい前に、調査だけして地熱発電を確認していたんですが、当時の状況の中で、発電所としては利用されずに、ずっと塩漬けで来ておりました。
 それが、今の町長になりまして、ぜひやりたいということで、小規模だったと思いますけれども、発電所にすることが最近決定したという報告を受けております。地元の町は大変な高齢化が進んでおりまして、なかなか人口減少、高齢化で町の将来が見通せないという中で地熱発電所ができると、相当明るい話題になっているんですね。
 ですから、余り地域おこしのことを絡めるのはエネルギー政策上好ましいかどうかわかりませんけれども、やはり、地熱の資源がしっかりあって活用できるところは、こういう例のように、過去に一度トライしてだめであっても、今の情勢の中で復活できるところは他の地域にもたくさんあるんじゃないかというふうに思っておりますので、大臣また副大臣のリーダーシップでどんどん普及が進んでいくようにお力添えをいただきたい。
 また、ケニアのナイロビの話は知りませんでした。日本の技術力は大変高いということですから、将来的には、技術の移転とか輸出でも日本は国際貢献できるのかなと感じたところでございます。
 経産省のさらなる取り組みを期待して、私の質疑を終えたいと思います。
 ありがとうございました。

2014年02月26日再生可能エネルギー 国会質疑

雇用を通した元出所者の社会復帰について(平成26年2月21日・法務委員会)

○遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。
 本年も、昨年に引き続きまして、法務委員会理事として、また公明党の法務部会長として、与党の側から谷垣大臣をお支えすることになりました。本年もよろしくお願い申し上げます。また、委員長もよろしくお願いいたします。
 まず、資料の一番でつけさせていただいております、後で言及をさせていただきますが、昨年の夏、八月に法務委員会の海外視察がございまして、石田前委員長を団長とした視察団の一員として、一週間ほどアメリカ合衆国に行かせていただきました。
 首都ワシントンDCとロサンゼルスの二つを回りまして、大変貴重な経験をさせていただきました。FBIの本部を訪問したり、軍警察あるいはロス市警などの捜査現場の視察、また連邦地裁の裁判の見学、それからカリフォルニア州立刑務所の中の視察等々、普通の訪米ではまず行けないような現場に参りまして、丁寧な説明を伺って、日本の司法制度のあり方と比較しながら、本当に勉強になりました。
 ここで、改めて、本当にこのすばらしい視察日程を調整いただいた石田前委員長を初め、委員部や調査部の職員の皆様、また、現地でもアテンドしていただきましたけれども、法務省並びに外務省の職員の皆様に心から感謝を申し上げたい、このように思っております。
 さて、昨年の訪米で私どもが、特に私個人としても一番衝撃を受けた施設が、法務大臣、御存じかもしれませんが、ディランシー・ストリート財団という民間団体の取り組みでございました。
 きょうお配りをした資料の一枚目は、恐縮ですけれども、私が視察の直後に書いたメルマガから抜粋をしたものでございます。
 このディランシー・ストリート財団、DS財団と略してありますけれども、一枚目の三段落を見ていただきますと、これはサンフランシスコに本部を置く受刑者に対する社会復帰支援施設でございまして、まず、政府からの補助金を一切受けずに運営をされております。しかも、驚いたことに、この施設の運営というのは、この施設に入所して更生した元受刑者たちがしている。
 奥野副大臣、後で御答弁いただきたいと思います、副大臣も一緒だったんですけれども、私たちに対応してくれた方は男女二人おられたんです。その次の段落に少し詳細が書いてありますけれども、男性の方がデイブさんという方なんですけれども、この人はこの施設に来て八年なんですが、その前二十五年間、薬物中毒者、薬物売買人でありまして、刑務所に送られること四回といういわば絶望的な境遇にございました。それから、女性のローラという方も説明してくれたんですが、彼女ももとは重度の薬物依存症でありまして、刑務所に二回送られているという方でございました。しかし、私どもが会った昨年の時点では、二人とも大変立派な方々でございまして、施設の取り組みを説明していただいたわけでございます。
 次のページを見ていただきますと、この施設がどういうルールで運営されているか、彼らの答えを私の方で要約させていただいたわけですが、特に二段落目と三段落目をちょっとごらんいただきたいと思います。
 二段落目には、政府から補助金をもらわずに、しかも元受刑者だけで運営されている施設がどういうふうに運営されているかといいますと、まず、これはおもしろいんですが、ディランシー・ストリート財団のことを、例えばカリフォルニア州立刑務所に入った受刑者全員に、向こうは法務省と言うか何と言うかわかりませんけれども、向こうの政府当局が、こういう財団がありますということを通知するんですね。
 受刑者全員に通知をした上で、受刑者の中で、刑務所じゃなくてそういう社会の中にある施設で自分は更生したいという意思を持った人は、手紙を書きます。この財団に手紙を書いて、手紙を受け取ると、もちろん手紙の段階で少しスクリーニングをかけるんだろうと思いますが、財団の方から、この人は可能性があるかもしれないという方に面接に行きます。当然、刑務所も協力します。
 面接をして、そこで本人の意思が強いということを判断すると、理由書をつけてディランシー・ストリート財団が裁判所に行きまして、裁判所判事の許可を受けて、その対象の受刑者の残りの刑期、ですからまだ受刑中なんですね、だけれども残りの刑期を裁判所の許可で保留してもらって、保護観察か仮釈放という状態に法的にして、その受刑者を刑務所からこの財団の施設に移すわけです。
 ここからはルールがいろいろあるわけですが、そういう形で入った入所者は、誰でも最低二年間、施設にいなければいけないと決めております。
 三段落目、次の段落を見ていただくと、ちょっと細かいことですけれども、ルールがいろいろあります。例えば、施設にいる間は、携帯電話、インターネットアクセスは全部禁止ということですので、携帯電話で誰かと話すということは禁止をされておりました。有線の電話は中にありまして、一定の条件のもとで使える。ただ、電話は使えるんですが、これはルールが厳格にありまして、入所してから十五カ月間、みずからの子供に連絡をしてはいけない、それから配偶者や恋人との接触も十八カ月間は禁止。これを破ると、即、施設から退去ということだったと思います。
 さらに、この財団の特徴は、入所している間に教育をしておりました。我々も見てきたんですけれども、学校のような授業をして、基礎的な教育が欠けている方には教育をする。それから、職業訓練もして仕事も与え、仕事については報酬を出しております。職業訓練は十五種類。
 仕事も、ここに書いてありますけれども、引っ越し会社とか装飾会社をやりまして、済みません、報酬はないですね、無報酬で働くかわりに財団の収益はあり、そのかわり、入所者の居住費、食費、教育費を全て無料にするということ。
 我々が訪問したロサンゼルスの施設の入居者は現在百九十名程度でございまして、成果としては、二年間ここにいて出所した人の再犯率は三割を割り込んでいて、裁判所とか警察機関から高い評価を得ている。
 ちなみに、大臣、私、アメリカにいるときに、ディランシー・ストリート・ファウンデーション、財団というキーワードでインターネットで検索したんですね。一番最初にヒットしたのは、びっくりしたんですが、こういう受刑者のための自立更生施設としてのホームページではなくて、サンフランシスコで最も規模が大きい引っ越し会社の一つとしてインターネットに出てくるんですね。
 私たちが訪れたロサンゼルスの施設は、もともとたしかヒルトンホテルだったところを財団が買い取って、そこの中を変えて施設にしていまして、大臣、これは、元受刑者というか、はっきり言うと、まだ刑期のある受刑者を入れているにもかかわらず、誰も警官がいないんです、周囲に。だから、本人たちがその気になれば幾らでも道に出ていけるような、かなりフリーな状況の施設であったんです。
 ここの施設の人たちは何の仕事をしていたかというと、装飾会社。クリスマスのときに町をデコレーションする仕事をしておりまして、我々、地下に行って、八月に行ったんですけれども、ことしの冬のクリスマスにはこういうデコレーションをやるんだと。結構、大企業から仕事を受注しておりまして、何千万円の売り上げになるような大きな仕事をしていたわけでございます。
 このように、日本ではちょっと考えられないんですね。まだ刑期がある受刑者を、裁判所の許可を得て、厳格なルールのもとに受け入れて、その人たちに職業訓練を施して、かつ、実社会で働いてもらって、それで二年間過ごして、最終的には実社会に出ていくんだけれども、再犯をしない、こういうことをしていたわけでございます。
 そこで、せっかくですから、私、一緒に同行していただいた奥野副大臣に御答弁いただきたいと思うんですが、副大臣は副大臣で個人の御感想があるかもしれませんけれども、私は、この財団に行って、日本でもこういう民間主導の取り組みが出てくれば、やはり再犯率を下げることができるのではないかというふうに思いました。
 もちろん、民間の団体ですから、法務省とか政府が人為的につくることはできないわけでございますが、例えば、今、日本にあるいろいろな規制を見直すことで、もう少し今までよりも自由な発想で、つまり、法務省が管理している矯正施設、刑事施設ではないところで、本人の自立更生の意思が非常に強くて、そして真面目に働くような方々を予備段階的に受け入れてやるようなことを、ある程度民間にやらせるというようなことも考えてもいいのではないかと思ったわけでございますけれども、奥野副大臣の御答弁を伺いたいと思います。

○奥野副大臣 昨年八月でしたか、御一緒に、法務委員会としては異例の外国旅行だったと思いますが、旅行と言っちゃいけませんね、視察でありました。
 ただ、一つだけ遠山先生が間違って御理解いただいているところがありまして、DS財団へ行ったのは私が日本へ帰ってからでありますから。朝から聞いたんですけれども、どうにも理解できなかったので、ちょっと確認をしましたら、私が帰ってから後のようでありました。
 私も、実は、日本の国でどういうふうにして社会復帰支援が行われているんだろうかと。いろいろと刑務所を見て回ったりする中で、ぜひ皆さん方にも御理解いただきたいと思いますが、私がこの間から行ったのは、沖縄の那覇、それから、先々週かな、北海道の網走へ行きました。
 もちろん、刑務作業と称してやるのは大した作業じゃありませんが、私がこういうこともやっているのかということで大変びっくりしたのは、やはり社会復帰したときにその技術が使えるという意味合いでやっているのが、網走は、牛を育成して、一年間に五十頭ぐらい出荷しているようであります。大体三十カ月になると出荷するのでありますけれども、そういう畜産事業に携わっている人もいました。
 それから、林業、木を伐採する、あの寒い中で木を切っていましたけれども、そういったこともやっている。それから、野菜をつくったり麦をつくったりというようなことも、網走ならではだと思いますけれども、大きな、何百ヘクタールという土地を持っているわけでありますから、そういったところで社会復帰したときに有用な技術を教え込んでいるということを見てきました。
 沖縄でも、果物や野菜をつくっておりました。
 そういったのが一つ。ただ、これは刑務所の中でということになろうと思います。
 今、DS財団に近いものといえば、皆さん方は御承知かもしれませんが、少年院を仮退院した人が北海道の沼田町で農業の技術を身につけるということも勉強しておるようであります。それから、刑事施設から仮釈放された人が農業技術を身につけるという意味で、茨城県のひたちなかにそういう授業をやるところがあるわけであります。これは両方とも定員が十二名でありまして、スケールの小さいものであるということと、国がやっているということですね。ですから、おっしゃっているDS財団は民間ですから、DS財団とは違うということです。
 ただ、今、遠山先生が御説明になったことで私が感じるのは、刑務所の中で仕事をしたり、あるいは、仮釈放で、準備はしてあるけれども、国の施設で仕事をするということは、受刑者にとっては大変やらされ感が強いんじゃないかなという気がするんですね。そういう意味で、民間が力を発揮して社会復帰支援施設をつくり、そこで社会復帰したときに有用な技術を身につけるというのは大変いいことだなと私自身は思います。
 それが今までの感想でありますけれども、あとは、お役人がつくってくれた資料も言わないとまた怒られますから、言います。
 平成二十四年の七月に、犯罪対策閣僚会議で再犯防止に向けた総合対策というのが打ち出されているようでありますが、ソーシャルファームの普及に向けた支援等、新たな就労先確保策について検討するというふうに決められたそうであります。
 そんなことがあって、法務省においては、平成二十五年度から、新たにソーシャルファームの開拓、確保のための予算を得て、刑務所出所者等の雇用に理解をいただけるソーシャルファームの開拓、確保のほか、連携体制の構築に努めているのだそうであります。
 ディランシー・ストリート財団のような取り組みは、あくまでも民間の発意と自律によって進められるものというわけでありますが、日本におけるソーシャルファームの活用の参考にしていければな、こう思っております。
 だけれども、全体的に考えますと、国の予算が大変金額的には厳しい状況になっていますから、予算、今年度はもう終わっていますけれども、来年の予算策定の段階では、もっと戦略的に法務省としてもいろいろなお金の使い方を研究しなくちゃいかぬと思って、今、私がそれをみんなに言っているんですけれども、そんな中でも一つ参考になる事例だなというふうに感じたわけであります。

○遠山委員 副大臣、大変丁寧な御答弁、ありがとうございました。
 大臣、ぜひ、これは一朝一夕にできることじゃありませんけれども、今の副大臣の御答弁にもありましたように、国の財政も限られておりますので、このアメリカの取り組みというのは、ポイントは、まだ受刑中の者を民間団体が管理し、教育し、職業訓練をして、かつ、仕事もして、収益を上げて、それで財団の運営を見て、かつ、本来国がやるべき元受刑者というか受刑者の自立更生も矯正もやっていくという取り組みでございますので、こういった動きが日本でも出てきて広がるように、また法務省としてもいろいろと御検討いただきたいということを要望申し上げたいと思います。
 次に、大臣にお礼から入りますけれども、昨年の三月のこの委員会で、私は、北九州市の戸畑区で元非行少年少女を百人以上雇用している、現在、福岡県の協力雇用主の会長の野口義弘社長を御紹介させていただいて、大臣から大変な激励のお言葉をいただいて、本人も大変喜んでおります。
 その後も、きょうも来ておりますけれども、法務省の齊藤保護局長が野口社長の会社をわざわざ訪問していただいたり、あるいは、この野口さんを再犯防止対策ワーキングチーム幹事会という省庁横断のところに講師として招いていただいたりということで、こういう一生懸命民間で、個人でこの方は頑張っているところにスポットライトを当てていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
 ただ、その上で、今、協力雇用主の実態がどうかということを確認した上で少し議論をしたいと思うんです。
 まず、保護局長に伺いますけれども、この協力雇用主という、まさに犯罪や非行をした人をあえて雇うということで登録をしていただいている協力雇用主さんの登録数は現在何社なのか、また、この五年程度でどれぐらいふえたのかということ。その全体の数を確認した上で、実際に協力雇用主として登録している会社の中で元受刑者を雇っている会社の数、それから雇用されている元受刑者、元非行少年の数を、ちょっと数字ばかりで恐縮ですが、全てお答えをいただきたいと思います。

○齊藤政府参考人 お答え申し上げます。
 協力雇用主の数でございますが、平成二十一年四月一日現在が七千七百四十九事業者でした。それが、平成二十五年四月一日現在で一万一千四十四事業者ということで、過去五年間で三千二百九十五事業者増加しております。
 そのうち、実際に刑務所出所者等で保護観察中の者などを雇用しておられる協力雇用主の数につきましては、平成二十一年四月一日現在で二百五十一事業者、平成二十五年四月一日現在で三百八十事業者でございまして、過去五年間で百二十九事業者増加しているところでございます。
 さらに、実際に雇用している被雇用者の数でございますが、平成二十一年は四百三十五人が雇用されておりました。平成二十五年は八百七十九人ということになっております。これは、いずれも四月一日現在で雇っている数でございまして、例えば、平成二十四年度におきまして、その一年間で新たに協力雇用主のもとで就労した刑務所出所者の数は千九百四人になっている、そういう現状でございます。

○遠山委員 それで、大臣、大臣には最後に御答弁いただきますけれども、今の数字を見ると、いろいろ改善はしております。改善をしておりますが、私は、昨年から法務省の方に会うとよく言っているんですが、今、協力雇用主として登録している会社は一万一千を超えてきております。つまり、全国で一万一千社の会社の経営者が、俺のところで、私のところで元受刑者を雇ってもいい、元非行少年少女を雇ってもいいとおっしゃっている、意思を持っているから、この一万一千という数がある。
 ところが、実際に雇っている会社の数は三百八十社でございますので、これは五年前と比べて百二十九もふえてはいますけれども、しかし、登録している会社全体の三%から四%ぐらいしかないということでございます。
 そこで、私は、これは何か構造的に少しうまくワークしていないのではないかという思いがありまして、配らせていただいた資料の二番を見ていただきたいと思います。
 後ほど、この資料の真ん中よりちょっと下の「新たに追加した流れ」については法務省さんから御説明いただくわけでございますが、今までの流れというのは、簡単に書けば、「以前の流れ」とチャートに書かれたところになっているわけですね。
 つまり、協力雇用主として登録した企業を中心に、雇ってもいいですよというところが求人の申し込みをハローワークにします。ただし、会社の所在地のハローワークに言うんですね。今度、矯正施設、刑事施設は、出た後に元受刑者を再就職させるために、ハローワークに協力依頼をしたり、職業相談があれば乗ったりということになっているんですが、ハローワークを真ん中にしてマッチングをしているんですけれども、私としては、さっきの数字を聞くと、恐らくこのマッチングがうまくいっていないがために実際に雇っている企業の数が少ないんだろう、こう思っております。
 そこで、こういう現状について、ハローワークを所管している厚労省さんと、それから法務省からも、どうして一万一千もの協力雇用主がありながら、実際に雇っている会社は三百八十なのか、その原因は那辺にあるのか、簡潔に、率直に御答弁いただければと思います。

○宮川政府参考人 お答えいたします。
 刑務所出所者等の雇用につきましては、ハローワークと刑務所あるいは保護観察所等が連携して実施しております刑務所出所者等就労支援事業に基づきまして、トライアル雇用などを活用して支援を行っているところでございます。
 その実績でございますが、平成二十四年度の支援対象者数は七千二百九十五人、就職件数二千五十八件、就職率が二八・二%なんですが、このうち矯正施設入所中における実績が、二千八百六十一人の支援対象者に対して就職件数八十一件と、就職率が極めて低い状況ということになり、要は全体の就職率を押し下げております。
 この要因といたしましては、矯正施設内では就職活動がある程度制限されているということが主たる原因とは考えられますが、そのほかにも、協力雇用主の求人情報が受刑者等に対して十分に行き届いていないということが考えられるところでございます。
 このため、協力雇用主の求人情報が受刑者等に直接伝わるような形での受刑者等専用求人の取扱いを整理いたしまして、本年一月に都道府県労働局宛てに通知したところでございます。
 厚生労働省といたしましても、法務省と連携して、引き続き刑務所出所者等就労支援事業に取り組みまして、刑務所出所者の就労支援というものにしっかり取り組んでいきたいと思っております。

○齊藤政府参考人 委員御指摘のマッチングがなかなかうまくいかないということ、御指摘のとおりだと思います。
 その原因はいろいろ考えられるんですが、協力雇用主さんの構造を見てみますと、建設業、サービス業、それから製造業の三業種で大体七八%を占めているということでございます。また、従業員の規模が三十人未満のところが全体の大体六〇%を占めているというのが実情でございます。
 そういうことで、業種が偏っているということがやはりマッチングに対して少しうまくいかない原因になっているのかなというふうに思っておりますし、やはり規模が小さいというところはなかなか、新たにプラスアルファで、今いる人に加えてさらに雇う余裕がないというようなこともあるんじゃないか、そういうところでなかなか雇用が進んでいないのではないかというふうに思っているところでございます。

○遠山委員 それで、ちょっと時間が思いのほかなくなってまいりましたので、大臣、きょうは最後の質問で伺いたいんですが、その前に、今の厚労省からの御答弁と法務省からの答弁に少しヒントがあると私は思っているんですね。
 それは、一つは、協力雇用主はたくさんいるんだけれども、そこの求人情報が矯正施設の中にいる受刑者にきちんと届いていない。例えば、私が矯正施設内にいる元受刑者の身になって考えれば、どこの企業がどういう仕事を募集しているか、刑務所の中にいてわからなければ、これはなかなかたどり着きようがないわけでございます。
 それで、ちょっと法務省さんに説明していただく時間がないので自分で説明しますけれども、この資料二番の紙にまた戻っていただきたいんですが、この下の、大臣は御承知だと思いますけれども、「新たに追加した流れ」というところがございます。
 これは、私が大変親しくしております福岡の介護施設の方々が、ぜひ自分たちの介護施設に元受刑者を雇いたいと私に去年連絡がありまして、すぐ法務省の保護局、矯正局の皆さんにつないだところ、この介護施設の方々は非常に熱意がありまして、介護の資格を取れるような刑事施設を自分たちで回りたいと。それで、特別に、当時は特別に、これからは普遍的になると思いますけれども、法務省さんの許可をいただいて、その介護施設の職員が刑事施設を大分回りまして、面接をしたりしながら、二、三カ月の間に二人、すぐ雇っていただくという成果につながったわけでございます。
 それにヒントを得て、法務省さんと厚労省さんで相談されたのがこの新しい流れになるわけでございますが、これを見ていただくとわかるとおり、企業の方が採用希望する矯正施設をあらかじめ指定して、ですから、先ほど奥野副大臣がおっしゃっていましたけれども、農業法人で例えば受刑者を雇いたいという方は、もう網走の刑務所を指定して、そこに求人情報を送らせて、そして面接も場合によっては行くという形でやっていけば、ミスマッチを減らすことができるのではないかというふうに思っております。
 あともう一つ、法務省さんから、建設、サービス、製造業に偏っている、中小企業に偏っている、こういう御指摘がありました。それはもしかしたら原因の一つかもしれませんが、これから、今政権がかわりまして大分景気がよくなってきて、建設もサービスも製造も上がってきているわけですし、これが中小企業にも波及していかなきゃいけないという段階に入っていると思います。
 そういうことからすると、今我々が見ている条件というのは、これはさらにふやせる方向に行くんじゃないかと思っていまして、私、これは個人的な決意ですけれども、ぜひ、協力雇用主さんが一万一千いるならば、その一割ぐらい、千百社ぐらいで実際に雇っていただいている、一割というところぐらいを政府も目標にして、もちろん、すぐにはできませんから、三年以内ぐらいに協力雇用主登録会社の一割ぐらいが実際に雇っていただいている、こういう状況をつくるべく政府として努力すべきだと思いますが、最後に大臣の御決意を伺いたいと思います。

○谷垣国務大臣 やはり出所者の就労先を確保するためには、つまり、前科等があることもわきまえながら雇ってくださっている協力雇用主の活用は必要だと思います。
 それで、一つは、遠山先生が御努力された、ミスマッチをなくしていくといいますか、マッチングをよくしていく。今の新たな仕組みというのは、日本財団がやっていただいている職親プロジェクトも同じような、ここから雇いたいというような情報を送るようなことをやっていたり、今先生がおっしゃったのは、それをもっと広げていこうということで、これは意味があるなと思います。
 それからもう一つは、やはり協力雇用主に対する支援策も大事でございまして、今度、平成二十六年度政府予算案においてその拡充を図ることにしておりますのは、職場定着協力者謝金という制度がございます。いろいろやっていただいている職場定着のための生活指導等々に着目して、そういうことやらせていただく。
 それから、「世界一安全な日本」創造戦略で、出所者を雇用する民間の事業主に対して、総合評価落札方式、競争入札の中でポイント制を入れていくというようなことも考えておりますので、そういった支援策も充実させていかなきゃいかぬということだろうと思います。
 そこで、数値目標というと、ちょっとまだ十分その数値目標、雇用情勢等ございますから、我々、まだ十分な御返答をする用意がないわけですが、今のようなことを通じて、協力雇用主に雇っていただける環境をさらに整備していきたい、このように思っております。

○遠山委員 大変前向きな御答弁、ありがとうございました。
 時間が参りましたので、残った質問はまた別の機会に入管局にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

2014年02月21日国会質疑

国家安全保障(マイナー自衛権)について(平成26年2月20日・予算委員会)

○遠山委員 おはようございます。公明党の遠山清彦でございます。
 私の持ち時間は二十分でございますので、簡潔に御答弁いただければと思いますが、私は現在、公明党の国際局長という立場で、山口代表の外交活動の補佐をさせていただいております。また、たった今質疑を終えられました自民党の岩屋委員が座長を務める与党安保PTのメンバーとして、昨年末にも、防衛大綱、中期防、あるいは国家安全保障戦略、NSSの策定にかかわらせていただきました。その立場から、きょうは、総理並びに岸田外務大臣、また内閣法制局に何点かお伺いをしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 まず、NSS、国家安全保障戦略の中に、「軍縮・不拡散に係る国際努力の主導」という一項目を入れ、そこで明確に、日本が「「核兵器のない世界」の実現に向けて引き続き積極的に取り組む。」という記述がなされました。
 この内容は、昨年末、与党に内示された当初案にはなかった項目でございまして、私は当時、NSC設置法案の本会議の代表質問で、公明党を代表いたしまして総理と外務大臣に強く求めていたものでありまして、まず率直に評価をさせていただきたいと思っております。
 本年四月には広島で、非核保有国の軍縮・不拡散イニシアチブ、NPDIが開催をされます。さらに、来年は、先ほどもありましたとおり、戦後七十周年、つまり被爆七十周年の節目でございまして、私は、国連軍縮会議などさらに上位の国際会議を日本に誘致するべく、総理を先頭に努力すべきだと考えますが、安倍総理の決意を伺いたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 来年、二〇一五年は、終戦から七十年であると同時に、広島と長崎における原爆投下の惨禍から七十年目を迎えるわけであります。核兵器の悲惨さを最もよく知る唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界に向けて国際社会をリードしていくことが我が国の世界における道義的責務である、こう考えております。
 また、岸田大臣は、広島県の出身でもあるわけでありますが、この観点から、本年四月に広島で開催される軍縮・不拡散イニシアチブ外相会合では、二〇一五年のNPT運用検討会議に向けて有益な提案を行う考えであります。
 また、今委員が御指摘のように、もっと積極的に日本は世界に向けてこの考えを発信していくべきだという御指摘もございました。来年の被爆七十周年の節目には、広島において、国連及び広島市の協力のもとに、国連軍縮会議を開催することを現在検討中でございます。
 こうした取り組みを通じて、我が国として引き続き、この分野における国際社会の取り組みを主導していく考えであります。

○遠山委員 総理、ぜひよろしくお願いいたします。
 一点、私、九州比例ブロックの選出の議員として申し上げると、原爆というと長崎も同様に七十周年を迎えるわけでございまして、来年、もしそういう上位の国連軍縮会議等を、今広島とおっしゃいましたけれども、誘致される際には、長崎県、長崎市でも関連の公式行事を組んでいただくなど、配慮していただきたいということを要望申し上げたいと思います。
 続きまして、岸田外務大臣にまずお伺いをしたいと思いますが、総理、最近、あえていわゆるとつけさせていただきます、いわゆるマイナー自衛権という言葉が国会審議やマスコミ報道で使われ出しております。しかし、これは一般国民には、私はほとんど理解をされていないと思います。
 マイナーという言葉を使う以上、それに対してメジャーというのが普通あるんですね。アメリカの大リーグ、これはメジャーリーグがあるからマイナーリーグがあるわけです。そうすると、マイナー自衛権の話をするということは、こういう表現はほとんどないわけですけれども、メジャー自衛権というか、メーンの自衛権の話があって初めて、マイナー自衛権という言葉があるはずでございまして、この辺が国民から見ると非常にわかりにくい。
 ということで、岸田外務大臣、私調べましたら、昨年の国会答弁でマイナー自衛権という言葉をお使いになっています。総理は余り使われていないんですね。
 そこで、あえて、既に国会答弁でマイナー自衛権という言葉を使われている岸田外務大臣に、何がメジャー自衛権で何がマイナー自衛権なのか、国民にわかりやすく簡潔に御説明ください。

○岸田国務大臣 まず、国連憲章第五十一条において、自衛権が認められるのは武力攻撃が発生した場合、このように規定をされています。政府は、従来から、武力攻撃に至らない侵害に対して自衛権の行使として実力を行使することは一般国際法上認められており、このことを国連憲章が排除しているものではない、このように解しております。
 いわゆるマイナー自衛権という言葉ですが、マイナー自衛権とは、このような武力攻撃に至らない侵害に対する自衛権の行使、これを一般的に指すと考えています。
 そして、集団的自衛権等について安保法制懇で議論が行われているわけですが、この点についても議論が行われているという状況にありまして、その議論の中で、例えば、国際法上、外国潜水艦は、他国の領海内では海面に浮上して国旗を掲げて航行しなければならない、このように国際法上定められているわけですが、例えば、我が国の領海内において、外国潜水艦が水中に潜ったまま航行し、退去の要求に応じず、徘回を継続した場合、こういった場合にどのような実力の行使が可能か、こういった検討をする必要がある、こういった問題意識が指摘をされております。
 こういった点を指しましてマイナー自衛権という言葉を使ったわけでありますが、ぜひこの点につきましてもしっかり議論を深めていきたいと考えております。

○遠山委員 そうすると、外務大臣の今の御答弁をわかりやすく言うと、国連憲章は、総理も御存じのとおり、基本的に武力行使を違法化しているわけですね、第二条において。だけれども、もし武力攻撃を国連加盟国が受けた際に自衛権を認めて、それを憲章五十一条で書かれている。
 ですから、先ほど私が言ったメジャー自衛権というのは、国連憲章の第七章で想定されている武力攻撃のことをいうわけです。マイナー自衛権というのは、今の外務大臣の御答弁の中にありましたけれども、武力攻撃に至らない侵害のことをいう、こういう整理になるというふうに思いますが、実は、安倍総理も、ことしの二月四日の安保法制懇の第六回の会合において、総理御自身、御出席をされて、安保法制懇の皆さんに対する諮問事項として、こういうことをおっしゃっているんですね。
 我が国に対する武力攻撃に至らない侵害が発生した場合に、自衛隊が十分な権限でタイムリーに対応できるかどうか、その点で既存の法体系にすき間がないか検討してほしいということを、総理御自身おっしゃっています。ですから、総理御自身はマイナー自衛権という言葉は使っていませんが、事実上そのことを議論するように諮問したというふうになるわけでございます。
 確かに、総理が挙げられた例、あるいは先ほど外務大臣が挙げられた例、総理が挙げられた例というのは、本土から数百キロ離れた離島や海域で、警察や海上保安庁だけでは速やかに対応することが困難な侵害等にどう対処するかということをおっしゃったわけでございます。確かに、これは、今の法体系だと、武力攻撃に至らない侵害の場合は、自衛権の発動に基づく防衛出動というものを発令することはなかなか困難である。しかしながら、現行法上でも、警察権に基づく海上警備行動あるいは治安出動等で自衛隊を動かすことは可能なわけです。
 ただ、恐らく政府内には、この治安出動とか海上警備行動、警察権に基づいて自衛隊が出動した場合には、武器使用について、警察官職務執行法第七条に準拠するわけですから、相手によっては対処できないんじゃないか、こういう懸念があって議論になっているのかと思います。
 ただ、ここで法制局にちょっと伺いたいと思いますけれども、岸田外務大臣が昨年の十月二十九日に、マイナー自衛権についてこういう御答弁をしております。そのまま読みます。政府は、従来から、武力攻撃に至らない侵害に対し自衛権の行使として実力を行使することは一般国際法上認められている、こう明確におっしゃっているわけでございます。
 つまり、武力攻撃に対してだけしか実力をもって反撃してはいけないと国連憲章でなっているはずなのに、外務大臣のこの答弁は、武力攻撃に至らない侵害に対しても自衛権の行使として実力を行使することは一般国際法上認められている、こういう答弁をされております。
 そうしますと、この答弁を読むと、印象としては、別に安保法制懇で議論して新たな出動類型をつくり出さなくても、例えば、治安出動で自衛隊が対処している現場において、相手方の襲撃の武器の強度が非常に想像以上に高い場合に、警職法第七条を超えた武器を現場で自衛隊員が使用してもいいのではないか。つまり、一般国際法上認められていると外務大臣はおっしゃるわけですから、そう解釈もできるのではないかと私は思ったわけですけれども、内閣法制局の見解を聞きたいと思います。
 要するに、警職法第七条を超えて、武力攻撃に至らない侵害の現場において自衛隊員が武器使用することができるかどうか。答えてください。

○横畠政府参考人 国際法上の議論についてはコメントいたしませんが、政府は、従来から、憲法第九条のもとで武力の行使が認められるのはいわゆる自衛権発動の三要件を満たす場合に限られると解してきております。
 お尋ねのような、不正な侵害を受けた現場に限定した防御的、受動的な実力による対応ということでありますれば、御指摘の警察権もございましょうし、現行法のもとにおきましては、自衛隊法第九十五条の武器等防護のための武器使用、さらに、いわゆる自己保存のための武器使用と呼ばれているものがございます。
 このような対応措置につきましては、実力を用いることが含まれておるわけでございますけれども、国内法上の議論としては、これらについて、自衛権あるいは武力の行使という概念では説明してきておりません。
 すなわち……(遠山委員「質問に答えてください、質問に。警職法第七条を超えてどうなのかと聞いているんです」と呼ぶ)そのような防御的、受動的な実力による対応につきましては、当然、警察比例の原則というものが働きますので、その意味で、武力の行使の場合とは異なるということでございます。

○遠山委員 今の答弁は、すごくわかりにくい。
 警職法第七条を超えた武器使用を、警察権に基づいて出動した自衛隊員が現場で使うことはできるんですか、できないんですか、その解釈。(発言する者あり)いやいや、武器使用できるのは、私はそこを問うているんじゃなくて、警職法第七条を超える、強度の高い武器を使うことは、許されるんですか、許されないんですか。どうぞ。

○横畠政府参考人 警職法に定められておりますのは、まさに比例の原則でございまして、そのような対応につきましては、厳密な意味の警察比例の原則を超える武器使用はできません。

○遠山委員 ですから、できないわけですね。武器使用はできますけれども、警職法第七条を超えた範囲の武器使用は、実はできないわけでございます。
 もう一点、この議論の関連で法制局に伺いたいんですが、総理、今の、武力攻撃に至らない侵害への対処の問題においても、あるいは将来我々が議論するであろう集団的自衛権の問題においても、実は共通の概念上の課題があります。それは、国際法上保有している権利と憲法上の制約が相矛盾して相克した場合、行政権を執行する政府としてどちらを優先するか。
 先ほどの外務大臣の答弁は、一般国際法上は、武力攻撃に至らない侵害の場合でも実力行使できると外務大臣が答弁しているわけです。だから、これは、一般国際法の世界で認められている自然権的な自衛権の話をされているんだろうと思いますけれども、一方で、今までの政府の解釈は、憲法上も、第九条の制約によって、自衛権発動以外において武力の行使というのはなかなかできない、こういうふうに言っているわけですね。
 このように、二つの、国際法上保有している権利と憲法上の制約が相克、矛盾した場合は、政府はどちらを優先して行政権の執行をするのか、内閣法制局の見解を伺いたいと思います。

○横畠政府参考人 政府が国際法を遵守しなければならないのは当然であり、また、国の最高法規である憲法を尊重しなければならないこと、これまた当然でございます。
 その上で、国際法上の義務ではなく権利ということでございますれば、これを行使するか否かは各国の判断に委ねられていると考えられるところであり、憲法その他の国内法による制限がある場合にはそれに従うことになると考えております。

○遠山委員 つまり、一言で言うと、憲法上の制約が優先されるという法制局の見解だと思います。
 私は、こういう点を踏まえて、国民の前で、ちょっと、きょうも法制局の次長の答弁が一番国民にとってわかりにくかったと思いますけれども、総理、わかりやすい議論をして、これらの問題に結論を出していかないといけないということだけ申し上げておきたいと思います。
 時間がもう三分ぐらいしか残っていないので、最後になりますが、総理にお伺いをします。(発言する者あり)わかりました、なるべく簡潔にいたします。
 総理、日中の問題につきましては、私自身は八年前に第三次小泉内閣の外務大臣政務官をやっておりまして、当時の外務大臣は麻生現副総理でございますが、鮮烈な思い出がございます。
 小泉内閣の時代に日中関係が大変厳しい局面になりました。それを安倍総理が、総理に就任されて真っ先に中国に訪問されまして、難局を打開された。そして歴史的な戦略的互恵関係の日中共同プレス発表をされたわけでございますけれども、私は、ぜひ総理に、八年前のこの立場に戻っていただいて、日中関係の改善に動いていただきたいと思っております。
 総理、一番大事な点は、同盟国である米国や基本的価値を共有する韓国とともに連携をして、この中国の急速な台頭という新たな東アジアの状況を平和的に管理する体制というものをつくるために日本は積極的に動くべきだと思いますが、総理の御決意を簡潔に聞いて、終えたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 まさに遠山委員が言われた問題意識は共有しているところでございまして、最も大切な隣国の一つである韓国との関係を改善していく、そして、委員がおっしゃったように、自由と民主主義、そして基本的人権、価値を共有する国である韓国とともに、アジアの平和と安定に向けて協力をしていくことが重要だろう。日韓そして米国、この三カ国でしっかりとこの地域に対して責任を負っていく、この姿勢のために日韓関係をより改善していきたい、このように考えているところでございます。

○遠山委員 終わります。

2014年02月20日国会質疑 安全保障

衆議院本会議で代表質問!

10月25日、久しぶりに衆議院本会議で代表質問しました!議題は国家安全保障会議設置のための改正案。公明党としての注文も色々つけましたが、安倍総理と岸田外相も前向きな答弁で、良かったです。

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2013年10月25日デイリーメッセージ 国会質疑 活動アルバム

予算委員会分科会で質疑

4月15日、衆院予算委員会分科会で新藤総務大臣と有意義な質疑。未婚母子家庭の寡婦控除不適用問題など、取り上げました。

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2013年04月16日デイリーメッセージ 国会質疑 活動アルバム

ネット選挙解禁法案、衆院通過!

4月11日、衆院倫選特でネット選挙解禁法案、自公維案の修正案が全会一致で可決されました。私は、法案提出者として答弁に立ち続けました。参院審議でも、引き続き答弁いたします。

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2013年04月12日デイリーメッセージ 国会質疑 活動アルバム

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